猫も羽<わ>で数えましょう(旧「大塚ひかりのポポ手日記」since2004)

一切皆苦の人生、だましだまし生きてます。ネットでは、基本的にマイナスなこと、後ろ向きなことを書くスタンスですが、ごく稀にうっかり前向きなことを書いてしまう可能性もあります。

閃輝暗点

おととい、閃輝暗点が出て、しかも頭痛を伴わないので、脳血管疾患の恐れありということで、きのう、脳神経外科mri

結果は異常なし。

が、小さい動脈瘤が右側にあるので、

年に一度くらい、mri撮ったらいいとのこと。

 

 

閃輝暗点とは無関係のようだが、閃輝暗点がいいきっかけになったかも。

でも、噂には聞いていたが、閃輝暗点、うっとうしくも美しかった。

 

 

脳には微小とはいえ動脈瘤、脚は悪い、水晶体はフェイク、歯も色々あっても恐怖症で歯医者に行けないし、白髪はかゆくなるから染められない……。

もうこんなんじゃ●●もできないと思うと寂しくて、涙が……(●●は各自、好きなことばを埋めて下さい)

 

 

 

 

 

 

 

 

性=政=生の時代

平安時代外戚政治って、いってみればセックス政治ですよね。

娘の性で、一族繁栄を目指してる。

性のパワーを凄く重要視していた。

 

 

で、紫式部道長は性関係ありやなしや、で、「なし」って言う人もいるんだけど、

私は「有り」だと思ってる。

理由はたくさんある。

今時間ないから、備忘録的に、自分に分かるメモとして並べると、

●当時の性というのに対する考え方の現代人との違い、

紫式部日記で、道長の夜の訪問を受け、拒んだふうに書いてるけど、当時のことを思うと、それっきりっていうのは考えにくい。

源氏物語での召人の扱われ方。

うつほ物語にも召人は出てくるけど、源氏物語の召人は、中将の君、木工の君等、それぞれ固有名詞があって、とにかく存在感がある。

なりきり能力の強い紫式部だから、べつに実体験じゃなくても、書けはするだろうが、とくに、道長とかのためじやなくて、自分のために書いたと思しき宇治十帖での召人の重要性。

●召人がさほど珍しい存在ではなかったこと、

紫式部日記枕草子で、女房の局の前を眠れぬくらい男達の沓音がしてると書かれてるくらい、女房と男達の関係は普通だったこと、

紫式部日記で女房たちをあげつらったあと、“それらは、殿上人の見残す、すくなかなり”とあって、ちょっと良い感じの女房は殿上人と性関係を結んでいたこと、

●あとはずっと後世の記録で、それを証拠にするのは憚られるけれど、南北朝時代系図尊卑分脈にも、紫式部は“御堂関白妾云々”とあって、そういう言い伝えがあったこと、

等々考えると、関係がないと思うほうが不自然な気がするのだ。

 

 

ただ、ちょっと引っかかる点があるとしたら、もしも紫式部道長の召人であったとしたら、紫式部の性格からして、このように堂々と(関係はないにしても)際どい歌のやり取りを日記に書くだろうか、という疑問はある。

まぁでも、『蜻蛉日記』みたいのもあるし……。

現代の感覚で、当時の性関係を推し量って、ないと決めつけるのはどうかなと思う(ある、と決めつけるのも、また同様だが。結局は分からないと言ったほうが誠実かもしれない)。

 

召人についても書いてます。↓

 

 

眠れぬ夜に……よしなしごと

古典の話ができるような夫だったらなぁと思う時もあるが、眠眠打破のみながら麻雀するような夫だからこそ、長年やっていけてるのかもなぁという気もする今日この頃。

 

 

それとは別に、やっぱし大学院行ってればなぁとも思ったりする。

黒田日出男先生も勧めて下さったのに。

でも、母親に「これ以上学歴つけたら嫁のもらい手なくなる」

「行くとしても、一切学費は払わないわよ」

と言われ、それを押してまで行く根性もなかった。

色々考えると、悲しい……。

が、おかげで、広告業界の人たちと知り合えて、それはそれは刺激的な日々だったので、もしも院などいってたら、得られぬものをたくさん得たと思うと、まぁいいんだけどね。

夫とも出会えたわけだし。

あのころの体験は、古典文学の読みにも凄く影響を及ぼしていると思う(それはそれは、面白い人たちがいっぱいだった。それこそ光源氏みたいな人もいた)。

とにかく広告業界がいちばん元気な時代だったからあのころ。

今思い出しても、華やかな日々……(つらい思いもしたけれど)。

 

それにつけても、源氏物語の全訳の機会を与えてくれた筑摩書房には感謝しかない。

最初、「やらない?」と言われた時は「えっ私なんぞが」と思ったけれど、

この仕事をやったからこそ、源氏物語をはじめとする古典文学の読みも深まった。

もちろん源氏物語はそれまでも何度も通読していたけれど、読むと訳すは大違い。

もともと調べ好きな性格なので、引用されている漢籍などにも可能な限り当たって調べたおかげで、得られたことは莫大だった。

 

 

 

 

 

もう15年以上前の写真。若い……「古典は原文を読むべきです」なんて言ってるけど、今は全然違う考え。訳でいいし、マンガでもいいと思ってる。

そこから原文にいければなおいいんだけど、海外の人とか、翻訳された源氏物語を読んでも楽しめてるわけだし、私らもギリシア神話ラテン語でよまないし、シェイクスピアでさえ英語じゃなく日本語訳でよんで、それで楽しんでいるわけだから。

 

www.chikumashobo.co.jp

『源氏物語』はやっぱり面白い

源氏の男はみんなサイテーとか色々と書き続けてはいるが、源氏から逃れようと御衣を脱ぎすべらかした藤壺の、髪をつかんで源氏がぐいと引き寄せるシーンとか、藤壺が死に際、源氏の後見等の厚意への感謝を、源氏がほのかに聞いて泣くシーンとか、好きだったりはする。

朧月夜との出会いのシーンとかも、これぞ王朝! という感じで、好きだ。

 

 

嫉妬と階級の『源氏物語』(xで書いたことまとめ)

嫉妬と階級の源氏物語というテーマは2015年あたりから頭にあって、2017年頃から一人で色々書いていた。それが大河のおかげで「新潮」で連載することができ書籍化に当たって加筆訂正・年表作成。改めて源氏は面白いと思った。

 

 

2015年あたりとちゃんと覚えているのは、『昔話はなぜ、お爺さんとお婆さんが主役なのか』(2015年刊行、2016年文庫化)を書き終えた前後のことだったからだ。

 

 

 

『嫉妬と階級の『源氏物語』』や『やばい源氏物語』を書いていて、感じたのは時代を超えた『源氏物語』の凄さ。セクハラや性虐待という語も概念もない時代、父のように慕った源氏に、14歳で紫の上が犯された時、孤児同然の彼女が源氏という貴公子にちゃんとした妻の扱いを受けたことで周囲はその幸いを賞賛したが、物語は、紫の上がその時、どんなにショックを受けていたかをこれでもかこれでもかと描いている。ルッキズムや性虐待といったことばはなくても、被害者の苦悩もちゃんと描かれているから現代人にも納得できる。

配下筋の妻である空蝉を犯した時、空蝉はうっとりするのではなく、抵抗・抗議の声を上げていて、そのセリフは今読んでも得心がいく。また、そういう女に源氏は惹かれているというのも、興味深い。

 

 

源氏物語』の超時代性は、この本よむと、また納得できると思う。

当時の社会規範で描かれた物語を、今の社会規範で以て読み解いていくと、浮き彫りになるのは、現代日本の抱えたさまざまな問題であるという面白さ。→

 

 

ビフォワー全訳、アフター全訳(xで書いたことまとめ)

ビフォー源氏・アフター源氏というくらい、『源氏物語』は日本文化の画期となったわけだけど、私の中ではビフォー全訳・アフター全訳というくらい、『源氏物語』を全訳したことが画期となった(大それた比較の仕方すみません)。

そのくらい『源氏物語』への理解度・解釈が違ってきたと思う。

筑摩に感謝。

当時の編集者(今は玉川奈々福さんという浪曲師になってる)に感謝。

 

それまでも何回となく『源氏物語』は通読してきたけれど、一言一句意味を探って、引用されている漢籍なども調べて、訳していくという作業は想像以上に大変だった。

読むと訳すは大違いである。

 

源氏鬱になったくらいだった。

全訳中の「源氏鬱」は、終わると癒えてきたとはいえ、しばらく源氏はたくさんだという思いは8年くらい続いた。それがやっと癒えてきたころ、書いた本→

 

 

 

「ビフォワー源氏、アフター源氏」っていうのは、以下の本で書いた私の小見出しからとった私の造語。→

 

 

嬉しい感想続々。

新著に嬉しい感想が続々と。

初版刷り部数少ないから(新書とかの半分くらい)、

増刷になるといいな〜〜。

 

 

 

 

試し読みも可能↓

www.shinchosha.co.jp

続々と紫式部関連本……源氏祭だ、わっしょい!

清少納言は「せいちゃん」、紫式部は「むらちゃん」、「敦道さまのステキなメール」!   川村裕子先生の懇切丁寧かつポップな説明で、王朝文学が一気に身近になります(いまむらちゃんとこだけ読んだ)

 

 

国風文化といわれる平安朝も「唐物」と呼ばれる舶来品は憧れの的。黒貂の毛皮を着る末摘花に源氏が贈った品々の意味、王朝の交易ルートから舶来ペットの功罪まで、河添房江先生が教えてくれる。

 

 

『平安のステキな! 女性作家たち』

『平安のステキな!女性作家たち』

ご恵贈いただきました。

嬉しい!

これは面白そうです。

 

 

私も、

10月25日『嫉妬と階級の源氏物語新潮新書

11月27日『やばい源氏物語』ポプラ新書

出ます。

 

 

ゆうゆう11月号

主婦の友社の「ゆうゆう」11月号で、源氏物語のこと語ってます。

「ゆうゆう」初めて見た雑誌ですが、掲載誌みたら、とてもしっかりした作りで、よみでがありました。

 

「ハルメク」の「スキャンダルでよむ百人一首」も道因、俊成……と、大詰めに迫ってきてます。

 

「新潮」の連載は終わりました。

大幅に加筆訂正し、年表とおわりにが加わって↓

 

 

右膝は相変わらず長めに歩くと痛いですが(もちろんサポーターと杖ありで)、ひところのように夜も眠りにくということはなくなり、何もしなければ痛くないです。

漢方とストレッチのおかげなのか。

慢性痛特有のじんじんじわじわといった鈍痛、水が少したまっているせいで曲げにくい、太いゴムで膝を常時巻かれているような違和感はありますが。

ストレッチ頑張って大腿四頭筋を鍛えています。