猫も羽<わ>で数えましょう(旧「大塚ひかりのポポ手日記」since2004)

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瀕死のとまと兄弟

2006-08-27,"","


「とまとが二匹とも、へちゃつぶれてる」 

私が言うと、受験生である子供に、

「匹?」

と突っ込まれてしまいましたが、我が家では、今日から、とまとは「匹」と数えることにしたのです。

 そのとまと二匹は、冷蔵庫の野菜室のいちばん底になって、すっかりぶよっていました。その存在を忘れていたわけではないのですが、とまとのほかに食べたい野菜や果物がいっぱいで、そのうちあれこれ買い足していくうちに、とまとはすっかり底に行ってしまったのです。

「うっ」

 とまとの弟は言いました。

「いま何か黄色い奴が上に乗った」

「ああ、それはレモンだね。レモンはじきにいなくなるよ。毎朝、ジュースにして飲んでるみたいだから」

「ああっ、お兄ちゃん、今度は緑のいぼいぼの重いのが」

「ああそれは沖縄の。うっ」

 兄の太郎も、なすびに乗られながら、答えました。

「次郎、がんばるんだよ。それは沖縄特産のゴーヤちゃんだよ」

 とまとの兄は、自分の上にも桃やら、もやしやらが乗せられて重くなるのを我慢しながら弟を励まします。

「いぼが痛いよう」

 泣きながら弟は寝ました。翌日もまた色んなものが乗ってきました。

「あ。こんどは」

「こんどは?」

「薄緑の丸くて大きいのが」

「ああ、それはレタスだから、もう少しの辛抱だ」

「お兄ちゃんこそ大丈夫?」

 きょうだいは励まし合いました。けれど、とうとう二匹の意識ももうろうとなるほどの凄いのが来たのです。緑で黒い線があるのがどーんと。

「それはすいかだね」

「ぼくもう限界だよ」

  こうしてとまとの兄弟は意識をなくしてしまいましたとさ。

(子供)「そのとまとを明日、サンドイッチにいれて食べるの?」

(私)「もう限界だからね。そろそろ食べないとね」 

 って、書くとくだらないわね。うちの子と話した時は楽しかったのに。

","hikario『今朝、そのとまとのお兄ちゃんのほうを食べました。お兄ちゃんは半分になって、弟と冷蔵庫にいます。』
明日は人間になろう『素敵な短編です。童話作家になってください。』
hikario『童話作家ですか。』
あすなろ物語『童貞作家じゃないですよ。』
hikario『「ママ、なんだか変な人が……」
「だいじょぶ。ママがガブッて喉やるから食べちゃおう」
「わーい、おいしいかなぁ」(ライオン親子)』