猫も羽<わ>で数えましょう(旧「大塚ひかりのポポ手日記」since2004)

一切皆苦の人生、だましだまし生きてます。ネットでは、基本的にマイナスなこと、後ろ向きなことを書くスタンスですが、ごく稀にうっかり前向きなことを書いてしまう可能性もあります。

10071111虫パワー

 昨日、美容院で聞いた話だが、漫画家の里中満智子が関節痛に悩んで、いろいろ調べた結果、蟻がいいと知って、蟻の粉末をのんで以来、治ったのだとか。
 なるほど「蟻 里中満智子」と入れてネットで調べてみると、当の商品も出てくる。

 昆虫というのは生物の中でも謎に包まれていて、いったいいつ頃地球に飛来したのか、分からない部分が多い。なので、これから理科系に進みたい人は昆虫が狙い目だと、うちの子は生物の先生に言われたという。生物に進むとは限らないが、うちの子は理科系なので。

 昆虫といえば、最近ではマゴットセラピーというのが有名。マゴットつまりウジ虫だ。
 糖尿病などで壊疽して切断するしかない患部に医療用に育てたウジ虫を生きたまま巻き付け、一週間おきにウジを取り替える。すると二、三ヶ月も経つと、壊疽の部分をウジがすっかり食べてくれて、跡形もなく患部は綺麗になっているそうだ。
 なにやら、むずむずしてくるが、日本医科大では04年から今年五月までほの約二年半で足の切断以外に治療法のなかった21人にこの治療をしたところ、18人が切断を免れたという。http://hosp.nms.ac.jp/category_g/internal1/
 ウジ虫による傷の治療は、戦場でウジがわいた兵士のほうが傷が早く治ったことから、数千年前から経験的に知られてきたそう。二度の世界大戦までは欧米の医療機関に広く普及していたのだが、戦後、抗生物質や手術の発達などによってすたれていた。
 それがまた耐性菌の出現で再び注目されるようになった(朝日新聞)。
 
 漢方には冬虫夏草など、虫を使ったものもあるし、虫パワーは侮れない。
 蚕は絹を吐き出してくれるから「お蚕さま」と呼ばれて尊ばれた。古典には、有名な「虫愛づる姫君」の話がある。あと、虫の血を妻の体につけておくと、妻の浮気が防げるといった気味悪い歌も『赤染衛門集』には残っていたりする。また、“蜂飼いの大臣”とあだ名された大臣なども『今鏡』には出てくる。ちなみにこの大臣は特定の北の方をもたずに、いつも幼い少女を何人か傍らに臥せさせていた。今でいうロリコンである。だからといって非難がましい記述はなく、まぁ変人として描かれている。少女はおそらく低身分の出身で、殿様に愛されるだけで親は潤って、ありがたいことじゃというていどの感覚だったのだろう。本人は今でいうトラウマに苦しむこともあったろうが。(ひかり)