猫も羽<わ>で数えましょう(旧「大塚ひかりのポポ手日記」since2004)

一切皆苦の人生、だましだまし生きてます。ネットでは、基本的にマイナスなこと、後ろ向きなことを書くスタンスですが、ごく稀にうっかり前向きなことを書いてしまう可能性もあります。

驚きと憤りで眠れない

maonima2008-04-29

 こんな理不尽があっていいものだろうか
 日本文藝家協会に「推薦入会」(理事二人が推薦してくれる)を申し込んでいたのだが、音沙汰がないので、問い合わせたら、見送られたという。
 驚いて連絡したら、
「槙佐知子氏とのトラブルを抱えておられることを承知しておりましたので」
とのメールが。
 またまた驚いて、協会に電話したところ、
「事務局長」
が推薦リストに私の名を載せることを阻止したという。詳しい事情は「事務局長」でないと分かりかねる、とにかく今は自分で推薦者を探して、改めて「一般入会」(会員一人と理事一人の推薦を自分で取りつける)の入会申請をしてほしいという。
 事務局長って誰かと思ったら、槙氏の二十年来の友人の書記局長桐原氏であった。  
 槙氏とのトラブルと言うが、トラブルなど、ない。
 しかも驚くべき事に、当の槙氏はよりによってこの四月に、わざわざ「一般入会」で協会への入会を果たしているのだ。


 槙氏は私にではなく、関わっている二つの出版社に「詫び文を出せ」と、文書を送っているが、著作権的には何ら問題はないという結果が出ていて、出版社はそういう回答を出している。
 事実確認をせずにいったんは槙氏の言いなりに詫び文を出したマガジンハウスの「クロワッサン」は、事実を確認した上で、4/10売りの4/25号で、改めて私に対する詫び文を掲載してくれた。 

 槙氏の医心方の版元の筑摩書房ですら、今回のことは、何ら問題はないという結論を出しているのだ。
 桐原氏は、そういう事実を確認したのだろうか。
 確認せずに、私の推薦を見送ったとしたら、杜撰きわまりないことで 、職権を濫用していると非難されても仕方のない、由々しき問題であろう。

 槙氏のお名前もご本の名も、私ははっきり記載しているのに、ただ槙氏の訳文をその通りに私が引用しなかった、改ざんしていると言って、槙氏は出版社に詫びろと要求していたのだ。


 そんなことを言われたら、原典は誰も訳せなくなってしまうではないか。
 ところが槙氏は、筑摩書房から出ている自分の『医心方』を原典ではなく、原典を自分で「改変」したものだと主張している。しかしそれなら、筑摩書房がああいう売り方をしているのは問題ではないのか。

 だいたい槙氏の訳文のままだと、「美的」という媒体では長過ぎる上、槙氏独自の解釈があると思われたので、私は辞書などを調べつつ、自分の言葉にした箇所がある。
 そもそも槙氏が執拗にこだわっているニキビの治療法に使う「三歳苦酒」。
「これは黒酢(三年酢)なので、ただの酢ではない、そう直せ。被害者が出たらどうなる」と言ってる箇所だって、三年酢は登録商標で、古代中国の酢と同じとは思えぬし、まして黒酢とイコールかも分からない。それならむしろ私のように「酢」と記す方が妥当ではないのか。
 また、被害者が出ると言うが、実際、私は酢で試して被害がなかったし、酢を直接肌につけるのではなく、酢につけたタマゴ、つまり酢タマゴを肌に塗るのだから、何の被害が出るというのだろう。


 しかも、再三いうが、槙氏の文章をそのまま引用した二箇所については(先のニキビの箇所など)、単行本でもきちんと槙氏のお名前・ご著作名は出しているのだ。
 クロワッサンでの取材でも、同様だ。
 槙氏の担当編集者などは、むしろ「槙さんのお名前と医心方が出ている」と喜んで、槙氏に報告したくらいだ。
 ところが槙氏は「私の訳文通りではない」と主張し、槙氏の著作には書いていない、医心方についての詳しい解説や自分の業績まで載せるよう、迫ったのだ。


 かつて協会には永山死刑囚が入会を希望して拒否されたことがあったらしい。また、山崎豊子は盗作問題があった時、いったん退会して再入会している。
 私の場合、そのような問題などなく、協会側としても、入会を拒む意思はないらしいのは、
「会員と理事の推薦をご自分で取り付けて、推薦入会ではなく、一般入会をお勧めする」
と言ってきていることからも分かる。
 それなら、ふつうに推薦すれば済む話ではないか。


 また、たとえ一般入会にせよ、この時期、槙氏が入会を果たしている事に関しても、公正を欠く行為で、私は大きな疑惑を覚える。
 推薦入会は年に一回、四月。一般入会は年に十回ある。七十を越す年齢で、しかも桐原氏の二十年来の友人の槙氏は、今までも、いつでも入会できたはずであるし、一般入会ならこの時期じゃなくてもいいはずなのに、なぜわざわざ……と、私が疑問に思うのは当然である。


 この手のことは、あまり触れたくないと思っていたが、今回ばかりがはらわたが煮えくり返って、耐えられなくなった。

 
 局長である桐原氏は、今日はもう退席してしまわれたとのことだが、休み明けに連絡をくれるということになっている。いったい、どのような言い分なのか、早く聞きたい。
 今は怒りで混乱して、文も長くなってしまったが、30日の回答を聞いてから、またちゃんとまとめて報告したい。


★★★これに関連する記事は2007年10/5と10/6にも書いている。原典作りの人に対する感謝の念はあるが、原典の「引用が不適切」という表現は、あり得ないのである。
http://d.hatena.ne.jp/maonima/20071005
http://d.hatena.ne.jp/maonima/20071006

★★★★参考までに。
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2007/08/post_94f6.html
http://d.hatena.ne.jp/jun-jun1965/20080428
http://www.bungeika.or.jp/bungeika.htm

★★★★★私なんぞは小池龍之介の『沈黙入門』でも読むがいいんでしょうが、なかなか今はそんな気にもなりませんね。
「もう語らない。怒らない。求めない。」か。
「求めよ、さらば与えられん」で育ってきてしまったからな。