(シバの腰にタオルが巻いてあるのは、ポポ手を怪我して、かじってよけいに悪化するのを防ぐため。おかげで今9/25ほぼ完治)
今日の朝日新聞に山本淳子さんとの対談が載ってます。娘の保育園時代の友達のお母さんが「見たよ」とさっそくメールくれて嬉しかった。新聞のありがたさは、こうして身近な知り合いが反応してくれるところ。
といっても、即日、反応してくれたのは彼女と、出張中の夫だけ。「写真も可愛く撮れてるよ」とのメールが……。結婚二十年目でこんなメールをくれるとは嬉しいこってす。さすが私を悦ばす(飼い馴らす)ツボを心得てるといいますか……。
いろいろ気持ちがくじけている時だっただけに、夫の励ましは嬉しかった。
山本さんもおっしゃってるし、私も今まで『カラダで感じる源氏物語』とかいろいろに書いてきたけれど、『源氏物語』で、光源氏が逃げる藤壺の髪をつかんで引き寄せるところはほんとに凄い濡れ場でエロチック。
それで対談でも言ったんだが(記事には反映されてなかったが、ゲラで付け加えればよかった)、ああして藤壺は光源氏に髪をつかまれたのがきっかけで、その髪を切ろうと出家を決意したんじゃないか。物語の構成上の理由とか、政治的な理由はいろいろあって、出家はその前から考えていたにしても、直接的に彼女を後押ししたのは、光源氏に髪をつかまれたことだったと思う。
(全訳の第一巻のナビで書いたことではあるが)
あと、昨日は、一年連載の約束だった「PHPスペシャル」の『今昔 源氏物語』が好評なので、あと三回くらい続けてくれないかと言われ、読者の感想もファクスしてくださって嬉しかった。
「『源氏物語』の登場人物を有名人でたとえると……というのをやってほしい」
と依頼を受けた時は、正直、「そんなベタなのは」と思ったのだが、これがやり始めると意外と楽しい。山本淳子さんも高校教師時代は「登場人物を芸能人でたとえると」という問いかけを生徒にしていたそうで、こういうやり方が、『源氏物語』を知らない人にとってはいちばん親近感をもたらすのだろう。
このPHPスペシャルに書いたのと大差なくなってしまったのだが、昨日発売の「オール讀物」の「私の好きな『源氏物語』の人物」では、源典侍を書いた。光源氏にしようかと思ったのだが、頭がまとまらず、いつものエロ婆さんに。とはいえ、私にとってはいつもなのだが、PHPスペシャルの讀者の感想をみても、この人の認知度は非常に低いから繰り返し書く意義はあるだろう。PHPスペシャルの読者アンケートで、
「とっても夢がもてました」(58歳主婦)
とあったのが、嬉しくも可笑しかった。
19日は国立能楽堂25周年記念公演というので藤本由香里さんが誘ってくださる。
たまにはこういうのもないと、生きてるかいがない。
野村万作の「川上」がぐっときた。
そうね、夫婦なんて、ああやって目をつぶってこそ長続きするというものよ。
友枝昭世の「三輪」も、途中、眠ったが、激しい神楽に目が覚めた。
お囃子衆がみんなお爺さんなのに、それはそれはノリにノって素晴らしかった。
ああいう仕事は年をとってもできる、というか、年とってこそ味が出るからいいね。
こうした舞台での能は私は敷き居が高い感じがして、生まれてからまだ四回くらいしか行ったことがない。
その代わり、地方の田楽や神楽はよく行くし、好き。
学生時代と去年行った遠山の霜月神楽(この日記の去年の12月のところに詳細は書いた)や、昔、何度も行った水窪(西浦)の田楽http://www.yuugao.jp/yoshi/matsuri/08/09nishiure/nishiure_shidai.htmlを、今回も思いだした。
プロの能を見て、かえってその原形と思しき地方の田楽や神楽にまた行きたくなった。厳寒の冬、夜を徹してやるんだよね。だから祭にお相伴(見物人も参加型だから、見る、って感じじゃない)する私らも疲れて、翌日もぐったりだけど、疲れが抜けると、何かきれいさっぱりした気分になって、
「これからも頑張って生きよー」という力が心身にみなぎってくる感じがするの。いったん死んで生まれ変わる感じとでもいうか、死んだ事ないから分かんないけど。
ああまた行きたいなー。