猫も羽<わ>で数えましょう(旧「大塚ひかりのポポ手日記」since2004)

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 ありがちな苦労話に、
「母は買いたいものも我慢して、行きたい所にも行かず、自分を育ててくれた」
なんてのがあるが、忙しいサラリーマンはみんなそんなもんだろう。
ふだんは夜もふけるまで働き、朝も早くから勤めに出るので、お金はあっても見たいものがあっても行けないし、ほしいものも買えない。
週末は一日くらい休みがとれても、疲れて日暮らし夢の中。


私もサラリーマンのように日々働いている。
『「源氏物語」の身体測定』や『ブス論』『歯医者が怖い。』『愛とまぐはひの古事記』なんかは、自分から言い出してやった仕事ではあるが、
『面白いほどよくわかる源氏物語』とか『ひかりと影の平家物語』とか、『源氏物語』の全訳のように、与えられた仕事も多い気がするし、そっちのほうがむしろ責任を感じて一所懸命、没入しているような次第である。




なんのために生きているのか。
何もかも投げ出したい時が、まま、あるけれど、
サラリーマンだって、
ほとんどは誰にも褒められることなく、
必ずしも思うような成果をあげることもなく、
それでも、昼に食べる好物の味わいとか、何年ぶりかに心の友に会うとか、ささやかなような贅沢なような、とにかく平和な楽しみを胸に、
日々、働いている。


嫌だ嫌だどん底だと思っている時ですら、生きていれば、なにかしら、ひとり吹き出すようなことがチラリとあるものだ。
ほんの些細なことでも、気の合う者同士顔を見合わせて、抑えても笑いがこみあげるほど、楽しい日だってやってくる。
くだらないお笑い番組かなにかを見ながら、笑い声をたてる子供を見ているだけで、少し幸せな気分にだってなる。