猫も羽<わ>で数えましょう(旧「大塚ひかりのポポ手日記」since2004)

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一日は母の見舞い。
まだ食事時まで一時間もあるのに、母はじめ、車椅子の患者たちは食堂に出されていた。
ひとり、ずーっと、「なんか面白いこと言ってください」「仲良くしてください」と叫び続けているお婆さんがいて、私と子供が母と 喋っていると、その言葉の端々をとらえて、割り込んでくる。
「こないだ●●ちゃんの結婚式があって」
と私が話すと、母が何か言う前に、
「結婚なんてできるわけないじゃない」
と言う。
 そして、うちの子に視線をやって、
「その下向いてる子は誰?」
と聞いてくるので、母が、私のことだと勘違いして、
「これは私のおじょうちゃん」
と答えると、
「へ〜」と。
母「あなたはおじょうちゃんいるの?」
お婆さん「いないわよ」
母「お坊ちゃんは?」
お婆さん「いないわよ」
母「あら、いたでしょ。こないだ見たわよ坊ちゃん」(まともな会話風だが、絶対母の妄想)
お婆さん「あら、そう? じゃいたのかしら坊ちゃん。偶然ね」
と、一見、まともだけど、どこかおかしい会話が続き、看護師の勧めで、母と我々は部屋に戻ったのだが、その際、母に、
「あなた、彼氏いるの?」
「いないわよ」
「やっぱりね!」という会話が展開したり、その後も、ほかの患者(その人もお婆さん)にも、同様に、
「私、もてないのよね〜あなたはもてるでしょ、彼氏いるでしょ」
と話しかけたりしていた。
 ほかの患者が、
「もてないわよ、彼氏もいない」
と答えると、
「あら、もてそうなのに」
「もてないわよ。それに私にも好みがあるからなかなかね」
「私は好みなんてないわよ」
「あら、イケメンが好みだってこの前言ってたじゃない」
「ああそうなの。ここはイケメンもいないし、お婆さんばっかりで嫌ねー」
などと叫んでいた。





こないだ医者が、前頭葉をやられると抑圧がとれて、性欲が出てきたりする人がいるって言ってたのは、こういう人のことなのだろうか。
「学者だったりした人によく見られるようです」って言ってたけど、このお婆さんはもしや昔、学者だったのか。
そしてこれがほんとの「色惚け」なのか。





きょうは、母は部屋で食事することになって、私も長いこと病室にいて、いろいろ喋った。
私が、
「ママの見てたら私もお腹すいた」と言うと、
「もうすぐおせんべとおまんじゅうが出てくるわよ」
「どこから?」
「上の階の人が持ってくるの」
「上に人が住んでいるの?」
「そう。お化けがね。いっぱいいるよ、お化け」
「え〜じゃあよる怖いでしょ」
「怖い怖い」
と話していると、ドアのノックの音が。
「ほ〜ら来た」
と母が言うと、うちの夫で、笑ってしまった。母も笑っていた。





車椅子を押して、母をトイレに連れてくと、うんちで、お尻を拭いてあげたあと、
「拭けてるっすか?」と聞くと、母も、
「拭けてるっす」
と答えた。
「どこにお尻の穴があるのか分かんない」と言うと、母はにこにこしているから、
「だいじょぶっすか」と聞くと、母も、
「だいじょぶっす」
と答えて、またにこにこしていた。




帰りに実家に寄る。
父はひとりで、いつも注文する「圓山」ってとこから、一人用のおせちをたのんで食べていた。
ちょっと残りをもらったが、相変わらず美味かったが、一人用のはちと割高かな。
http://www.kyounoaji.com/ryouri/osechi2009.html