くじけがちなこの頃、
八百屋で久しぶりに焼き芋を。
おばさんおじさんが先般のシバの逃亡を、
「どうしちゃったのかしらねー」と心配してくれたから、
「私も良い教訓になりました」と言うと、
「うんうん」とうなずきながら、
「ほんとねぇ」
とふたりして慰めてくれる八百屋夫婦の優しい笑顔に、210円の焼芋代では申し訳ないほどの元気をもらう。
焼き芋ってそれだけで癒される感じの食べ物だし。
「癒し系の食べ物」ってあるよね。
肉まんなんかもそんな感じだけど、
焼き芋は、ほこほこした見た目やあたたかさもさることながら、八百屋さんが手で取り上げて、がさがさしたわら半紙みたいな黄土色の紙に包んで手渡してくれる、その一連の動作とマンツーマン(て、使い方、微妙に間違ってるかもだが)なやりとりが、冷えた寂しい心を癒してくれるのだ。