猫も羽<わ>で数えましょう(旧「大塚ひかりのポポ手日記」since2004)

一切皆苦の人生、だましだまし生きてます。ネットでは、基本的にマイナスなこと、後ろ向きなことを書くスタンスですが、ごく稀にうっかり前向きなことを書いてしまう可能性もあります。

昨日は区民センターで「ブス論で読む源氏物語」というテーマで話した。
話はほんとに苦手で、それこそ源氏千年紀の2008年にはたくさん依頼がきたが、全訳をやってて時間がないこともあってすべて断っていた。
というか、全訳がなくても断っていたろう。
というのも十年前、魔が差して話を引き受けたものの、ストレスで熱が出て一週間寝込んでしまったから。
それでずっと避けていたのだが、今回のは、犬仲間に頼まれたので嫌と言えず引き受けたのだ。
が、十年前みたいに百人とか来られると、絶対緊張すると思ったので、
「定員40名」ということにしてもらった。
40名来てくれるのかという不安もあったが、これは近所のママ友達が三日くらい前に申しこんだら、
「定員オーバーなので、申し訳ありませんが」
と断られたということを聞いて、まぁ定員は満たしたのだなと思った。
それでもどきどきしながら当日を迎えたが、無事終わった。
予約制だったが、当日いきなり来た人もいて、全体では50人ほどのお客さんだったようだ。
思いのほか好評で、「講座をぜひ」と言われたが、自信も暇もないので断った。
「面白かったわぁ」っていうのは、お世辞だと思ったし。
そしたら、トイレで、
「今日のは正解だったわね」
「広報で気づいてよかった」
とおばさんたちが話してたからほんとに面白かったんだと思う。
良かった喜んでくれて。
自信もついた。
でも、すごーく疲れて、昨日は夕飯を作る気もせず、ほかの仕事もできず、皆で叙々苑にて夕飯を済ませた(頂いた謝礼は叙々苑での会計の足しにした)。

やっぱりひとりで二時間喋るのは私にはきつい。
あと十年くらいはもう嫌だ。




さて、終わったあと、綺麗な老紳士が近づいてきて一冊の本をくれた。
『おもしろ回文川柳』って、ご自分の著書らしい。
帰宅後、プロフィールをみたら「1933年生まれ、一中、日比谷高校、東大工学部冶金学科」を経て古河電工に入って、最後は古河電池監査役、リタイア後、回文川柳を始めたとある。
小学校からの学歴が書いてあるのがなにやら自慢げだったが、きっと自費出版だろうから、一生に一冊の本と考えれば、自分の履歴書代わりにそういうことを書くのも悪くはあるまいと思う。
「難しい薬のリスク医師かすむ」
「逃げた妻床の間の琴待つだけに」……リタイア後、こういう脱力するような川柳を朝な夕なにひねり出しメモする東大冶金学科卒老紳士の姿を想像すると可笑しかったが、中高以来の友達という国文学者の久保田淳が巻末に寄せた文章によると、中島さんは、奥様の介護のかたわら、この回文川柳を始めたという。そうと知ると、なにやら可笑しさが哀しみを帯びて、胸に迫ってくるから、人間てのは面白いというか単純というか……。





私の留守中、夫にシバの狂犬病の接種をしてもらいに行った。
あと、今年の分のフィラリアの薬(高い)も購入。
歯垢がいっぱいついてるそうだというので、源氏物語の話が済んでから、犬用歯ブラシを買って、磨こうとしたが、口をしっかり閉じて無理だった。
http://www.motocoland-selection.jp/gimg/71/71-1.jpgこれこれ、これを買ってシバの歯磨きに挑戦したのだ。いかにも素直に口をあけてる可愛い柴犬の写真にだまされた(翌4/18、シバが根っから嫌がってはいなさそうで、少し興味ももってる風だったので、再びトライすると今度は昨日よりは磨けた。この調子で頑張る)







亀山早苗さん『女の残り時間』(中公文庫)くる。
帯は「夫には知られたくない 妻には読ませたくない」。
巻末で亀山さんと私が対談してる(「不倫は源氏物語の昔から」)。

女の残り時間―ときめきは突然、やってくる (中公文庫)

女の残り時間―ときめきは突然、やってくる (中公文庫)




さきおとといは、WEB日本語の編集の人たちと、イラストを描いてくださった川口澄子さんたちと打ち上げ。
川口さんは、さすがイラストレーターだけあって、とってもお洒落な眼鏡といでたち。
おみやげも頂いて、それもまた鳥獣戯画の絵の缶に入ってて、心憎いとはこのこと。
あの、乗馬パンツのような黒いパンツに、三色だんごのようなボンボンのついた眼鏡に負けないセンスの良さに、羨ましいやらうっとりやら。
編集の方に頂いた、サグラダファミリアのステンドグラス風キャンドルもともしたら幻想的だった。
http://www.saruya.co.jp/この「さるや」の楊枝も川口澄子さんにより知った。
さっそく干支と大入を注文。