母の見舞い。
母はますます足腰が弱っていて、トイレでパンツを上げることもできなくなっていた。
入所時は、ベッドの隣のトイレにはひとりで壁を伝って這うように行けてて、パンツを下げるのはおぼつかなかったが、上げることはできていたのだが、今はとくに左足がダメになって、トイレにはとてもひとりで行けないし、便器に座ると骨盤を骨折しそうで、危なっかしい。
歩く事はおろか、椅子から立ち上げること、座ることもひとりではできなくなってしまった。
しかし精神的には元気な感じ。
マッサージの人に週三回来てもらって、リハビリをしてもらう契約をした。
そして夫とふたりがかりで母を抱えて車に乗せて、実家にほんの二時間の一時帰宅であるが、連れて行った。
9/30の入院以来、実に七ヶ月以上ぶりの帰宅だが、母にはさほどの感動はないようだった。
それより生まれ故郷の●●に行きたいと言っていた。
しかし、やはり我が家の気安さなのか、帰宅して紅茶をのむなり、
「トイレしたい」
と言って、ンコをした。
やっぱしリラックスしていたんだなぁ。
家からは母はピン留めや櫛、香水などを持っていった。
しゃれっ気だけはどこまでも失せないのだ、と滑稽なような哀しいような圧倒されるような……
しかしこうした気持ちは鬱の時はなかったので、良い傾向だ。
父は相変わらず折り紙の話ばかり。
お得意は十二支の折り紙。
あちこちの本から折り方を盗んで自分で編集してるそうで、父の折り紙十二支コレクションに採用する基準は、
1立つ、
2一枚で折れる、
3はさみを使わず折れる、
という父が決めた三原則に当てはまることだそう。
とくとくと話す様は、他人なら面白い爺さんなんだろうと思われ……。
認知症の母も苦笑。