猫も羽<わ>で数えましょう(旧「大塚ひかりのポポ手日記」since2004)

一切皆苦の人生、だましだまし生きてます。ネットでは、基本的にマイナスなこと、後ろ向きなことを書くスタンスですが、ごく稀にうっかり前向きなことを書いてしまう可能性もあります。

maonima2010-12-11

今日は早大にいったついでに図書館の二階でやってる「幽霊妖怪魑魅魍魎跳梁跋扈! 異形のものたち2」に行ってきた。
こぢんまりとした展示であったが、「大石兵六物語」が良かった。
兵六餅の兵六もこの物語がもとになっていたらしいhttp://ja.wikipedia.org/wiki/兵六餅
捜神記だかに出てくるような、頭がろくろ首になって飛んでる人の図や、頭が二つある女の両の乳にそれぞれ二人の子供が吸い付いていて、背後に夫らしき二つ頭の男が座っているという図もなかなか……。
一緒に行った子供は「桃山人夜話」が気に入っていた。


昨日は朝倉喬司さんの訃報を知った。
朝倉さんのことはサンカ研究会や狗道研究会で何度もお見かけしたし、吉野や、水窪の田楽祭、羽黒山のミイラツアー、諏訪の御柱阿波踊り等々でもご一緒した。朝倉さんの出版パーティにも何度か出席した。
津山三十人殺しのマンガを読んだ時、折しもその事件のトークショーがあるというんで聞きに行ったことも。凶悪犯罪の起きる家の犬はすさんでいる、猫はポーカーフェイスで変化なし、という話が印象に残った。http://d.hatena.ne.jp/maonima/20090606
朝倉さんは日名子さんとか、現代書館の社長や今井さんhttp://d.hatena.ne.jp/teru0702/といつも仲良くお酒をのんだりくっついていて、私はお酒をのまないこともありさほど親しく話したことはないけれど、いつもにこにこ気のいい感じの、ちょっと浮世離れした、びしっと白いスーツで細身を包んだお洒落で、照れ屋の可愛いおじさんだなと思っていた。
照れ屋の可愛いおじさんという言い方も失礼だが、朝倉さんは照れるとすぐ顔が赤くなるくせがあって、またどんなにお酒をのんでも女に対してなにやら常にはにかんでいるような感じで、そこが可愛かった。
だからとてももてていたと思う。

どこかに皆で行った帰りの電車で、降りる駅のアナウンスがあると、ほかのメンバーたちが早々に席を立って降り口に並んでいるのを見て、
「なに真面目に並んでんのよ、堅気みたいにさ。ぎりぎりまで座ってりゃあいいのに」
と笑ったりしていた。
ネットで検索してみたら、この十月、離婚してらしたとのことで(12/15追記。離婚したのはずっと昔の話で、この十月ではないという)、発見された時には亡くなっていたという。



昨晩はまた小谷野敦さんの『母子寮前』を読み始めたところ、寝なきゃいけない時間になっても、どうにもとまらなくなって一気に。
今までの小谷野さんの小説でいちばん面白く感じた。
タイトルと響き合う「私」の心情が泣ける一方で、おかしみもある。
なんでこんな夫婦関係になってしまったのか、こんな父親になってしまったのか……自分の親や夫婦関係にもつい考えが行きつつ、次は父に焦点をあてた話が読みたいと思った。

母子寮前

母子寮前