猫も羽<わ>で数えましょう(旧「大塚ひかりのポポ手日記」since2004)

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古典いろいろ

 昔、あだ名にはまって古典読むたびカード作って書きつけてて、ファイルが一冊できている。
 “三妻錐”とか“鳴門の中将”とか面白いあだ名は数え切れないけれど、
中でも印象に残ったのが『十訓抄』に出てくる“犬目の少将”。
 犬同様、何があっても泣かないことから付けられた。
 だけど『枕草子』の“翁まろ”は清少納言に正体を当てられ“涙をただ落しに落”して泣き震えたんだよね。
 来週の「産経」(近畿六県のみ)で書こう。



「美的」の新しい連載、といっても次で十四回目になるんだけど、次回は『大鏡』。
 歴代大臣の数や名前、詠んだ歌まで覚えてる世継って「レインマン」? みたいな感じで行くか。
 いま一番時間を費やしてる仕事はこの「美的」の連載かも。
 毎月、古典を一冊紹介して、全体としては古典入門みたいのを目指してるんだけど、その古典を全部読み返すのはもちろん、『大鏡』やるなら『藤氏家伝』とか『栄花物語』とか、『史記』の一部も読み返したりしてるから。でもこれが古典おたくとしてはとっても楽しい。もちろん系図作りは趣味だから何度やっても楽しい。


 こないだ送信した原稿は『更級日記』で、『更級日記』って何が面白いのって感じなんだけど、雰囲気がおたくというか腐女子的というか。しかし系図作ると、平安のインテリがほとんど収まる勢いで、この人が物語を入手したり、その物が存在するという知識を得るのも“母”だったり“継母”だったり“をば”だったり。
 印刷技術もネットも義務教育もない時代、文化資本の豊かな家に生まれた女性がいかに読み手から書き手になるに至ったかという、『枕草子』や『源氏物語』『栄花物語』といった平安女流文学隆盛の謎に迫る歴史資料として、『更級日記』は貴重なんだなというのが「美的」に書いた私の結論。