昨日は粕谷区民センターの山口崇さんファミリーによる長唄納涼会。
長男の杵屋巳津也先生の「都鳥」はほんとに素晴らしかったが、
長女の巳織さんの「吉原雀」のシャープなバチさばき、
奥様の巳貴さんの歌声も腹に響いて良かった。
山口さんの義妹(実妹?)や姪御さんも演奏仲間の一員で、
山口一家ってほんとに仲良いというか、一族でこんなに長唄・三味線やってる率が高いって驚異的だなと。
人間国宝の杵屋巳太郎も来ていて、椅子に足かけ、ひょいと演奏。
巳太郎の演奏はちゃんとしたホールでも聞いたことあるけど、ああした区民センターの、適当な椅子で、三味線も他人のものを借りて、
「せっかくですから」の山口さんの声に応えて、
「じゃぁちょっとだけ」と、
演奏したのが時柄、場所柄も手伝ってか、言いようもなく素晴らしく感じた。
『源氏物語』で、六条御息所がきちんと正式に書いたのよりちょっと走り書きした筆跡が素晴らしいと光源氏に評されているのにも似て、リラックスした時の名人芸って格別の色気がある。
顔も山口さんの黒との対比で白くつやつや見えて、光るようなオーラを放っていた。
山口崇さんが、この人間国宝の杵屋巳太郎氏について稽古をした関係で、昨日は粕谷区民センターのファミリー演奏に遊びに来ていて、飛び入りしたのだった。
凄い得した気分。
女優の上村香子さんもいつものように演奏の一員で、浮世を忘れる華やかさだった。
山口崇さんは相変わらず明るく、屈託なく、誰に対しても分け隔てなく、ますますいいなぁと(ハートマークが出ないのが残念)。
演奏の後、崇仲間のりへさんと三味線習い始めた娘と三人で食事して、嫌なこととか不快なこととか、どうでもいいって気分になる、ほんわか穏やかな幸せを感じた一日。
♪西へちろり、東へちろり、ちろりちろりと、帰宅後(帰国後って書きそうなほど、なんか別世界から戻った感じ)はシバの散歩。
『大鏡』で重視されるのは知恵とか知識とかじゃなく、はったりにも似た度胸・度量・懐の深さ・プライド・勝負運という、体育会系な感じの要素ばかり。