小諸の懐古園の中に、川へ下る山道があったんで、
「わ〜い千曲川千曲川」
と、下って行けば、そこは私ら三人と一匹以外は誰もいない、蚊だらけの道なき道。
シバ(都会っ子ですからね)も躊躇して、先へ進まないような道を私や夫が先導して、たどりついてみればダムとそれに伴う東電施設がそびえ立っていた。
山道は写真をとる余裕すらなく、辿り着いたところで楽しい風景が待ち受けているわけでもなく、シバは、ダム近くのあまり綺麗ではない川辺でへたりこみ(写真)、私らは元来た道をまた行くのかと思うとぞっとするのみ。
まぁ今回は往復一時間ていどで済んだが、なんか私が行きたいと言う道はいつもこんな、過酷な山道で、二十五年前、その頃つきあってた人と信貴山に行った時もふと山道に入ったら出てこれなくなって、四時間くらい山を歩いてくたくたになったものだ(その後この人に振られ『いつの日か別の日か』を書いたのだった)。
トイレもしたいし、もう駄目だというところで、断食道場があって、こんな所に! と驚いたのは今となってはいい思い出だろうか。
最近では館山に行った時も、
「こっち行こう」と私が誘った山道は、非常に過酷で、でも戦争時の施設とかがあって、それなりに楽しかったのではあるが(家族は文字通りいつも私の「道連れ」)。
今回はただただ疲れた。
しかし、
「おかげで、そのあと食べた蕎麦が物凄く美味しかったよ」
と家族は喜んで?くれたから良かった。