猫も羽<わ>で数えましょう(旧「大塚ひかりのポポ手日記」since2004)

一切皆苦の人生、だましだまし生きてます。ネットでは、基本的にマイナスなこと、後ろ向きなことを書くスタンスですが、ごく稀にうっかり前向きなことを書いてしまう可能性もあります。

再び、歯医者が怖い。1大事なのは「納得」

またぞろ歯医者に行って不調になっている。
左目が痛むと同時に、左上六番が痛んで、予約。
目医者でものもらいの治療をし、
歯科予約日には痛みは収まっていたが、
歯医者に行くと、左下五番が虫歯と奥さんの診断。
院長が削って帰宅後、見ると、治療してあったのは左下六番。
驚いて歯医者に電話すると、五番もやる予定と言われ、まぁ両方虫歯だったのね……と思いつつ、左下六番の金属装着の時、ついたセメントを削るためなのか、左上六番もなにやら削られ、不安なまま終了。
神経取るか取らぬかの瀬戸際だったらしく、金属の熱伝導でしばらくしみるとは言われたものの、実際、一週間経っても見事にしみる。
のみならず、その上のもともと痛みのあった左上六歯までしみるし、反対側の歯も痛む。



14年前、さる歯医者で噛み合わせの不調を訴えたところ(今思うと、そもそもこの時点で私が歯科心身症に突入していたのだ)金属もない健康歯(これが今回痛んでいる左上六番)まで削られレジン、同時に七番の上下をいっぺんにレジンでやって「噛んで下さい」と言われて、噛んでいたら六番の上下の歯が接着してしまい、やっとこのようなものでこじあげられ、凄い衝撃を受けて以来、おかしくなってしまった。
麻酔なしで強烈に痛かったというのもある。
今回の歯医者さんは20年前から何度か行ってる所だし、治療自体はこの歯医者のそれとは比べものにならないほど良心的なのだが、レントゲンの説明とかは無く、怖い先生で昔、怒られたことがあり、腕はいいけど怖くて質問できないという欠点がある。
そして説明不足のまま削られたため、またぞろ、歯科心身症が発症したのである。
あと、診断の時、いきなり乱暴に金属で「気になる」と言ったレジンを外そうとしたり、やすりでガリガリやられたというのも、私のような患者にはかなり衝撃なのだった。
しかし当然ながら、これはあくまで私のような患者だからであって、この先生に責任はない。治療はきちんと一生懸命やってくれた(14年前のさる歯医者は一般的にもどうかと思うが)。



つくづく厄介である。
歯が痛くなれば普通は歯医者に行って、痛みが収まり終わるだろう。
ところが、痛みのなかった歯まで痛くなってしまうのだから。
そもそも、もともとの痛みだって、虫歯ではなかった可能性もあるのだ。
実際、五、六年前、やはり痛みが出て、今回、治療してもらったのと同じ歯医者で治療を受けた右上六番は、先生に聞くと、虫歯ではなく、歯茎だった。
しかしその時は削ってほしいと言ったのはこちらだし、納得してたので、歯も心も痛まなかったのだ。


歯科心身症の人は、歯を削るのが怖いのではなく、何が起きているか分からない、何をされるのか分からないから、怖いのである。
歯科心身症の人にとって、一番必要なのは、
「納得」
である。
納得さえできれば、五、六年前の時のように、あるいは私が症状が出る以前の時のように(これ以前、30歳くらいまでは幼い頃から通い慣れた、とても腕もよく説明してくれる川俣先生という生まれ故郷の歯医者に行っていたが、先生がご高齢になったのと、私も出産の忙しさで遠くまで行けなくなってしまった)何も怖いことはない。
どっちにしても私のようにいったん症状が出てしまった人は、歯が痛んでも、三週間くらいは様子を見る必要がある。
生理の時に痛くなったり、風邪で痛くなったりするだけの時だってあるのだ。
しかるに歯医者に行けば、こちらが思いも寄らない虫歯を発見されてしまうこともあるし、
「削るね〜」と言われて、治療されてしまうこともある。
痛くなっても、たとえ腕がいいと評判の歯医者でも、すぐ削るタイプの医院ではなく、
納得のいく説明をしてくれる歯科医に行くべきである。



そんな私の様子を見たうちの子曰く、
「少し歯が痛いからって、歯医者に行くのがそもそも変。風邪引いたって医者には行かないじゃん。それで抵抗力がついて熱もおさまったりするみたいに、歯だってよほどズキズキするんじゃなきゃ、風邪の時みたいに我慢していればいいんだよ」
確かに!
さすがに、14年前の私の惨状を見ているだけのことはある。
歯科心身症の気味のある人は、
歯が痛くなっても歯医者に行かない。
二、三週間様子をみて、歯痛が収まれば、予約しててもキャンセルする。
それでも痛みの取れない時だけ、歯医者に行く。
これが基本であろう。

歯医者が怖い。 歯の痛みは心の痛み? (平凡社新書)

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