きょうの読売新聞の夕刊に「うしろ向き古典倶楽部」八回目が掲載されます。
今回は曽根好忠の“人は来<こ>ず風に木<こ>の葉は散り果てて夜な夜な虫は声弱るなり”(『新古今和歌集』巻第五 秋歌下)
「人は誰も訪れない。風で木の葉はすっかり散り果て、夜ごとに虫は声が弱っていく」という底付き状態のような歌。
あまりにマイナスでかえって滑稽味があります。
陰の中に陽が光り、絶望的なのに笑いがこみあげる。
変わり者として笑われていた曽根好忠のエピソードを、いま評判の又吉直樹氏の『火花』に出てくる売れない先輩芸人に重ねて、紹介しました。