きょうの読売新聞夕刊に「うしろ向き古典倶楽部」の九回目が掲載されます。
今回は、兵庫県の養父市の広告に絡め、『常陸国風土記』の“茨城”の地名語源譚を取り上げました。
朝廷側が仕掛けた“茨”のとげで原住民が全滅したから、茨城と名づけられたという、まさに後ろ向きなエピソードです。
古代文学にはこの手の後ろ向きな話が多いのですが、こうした一見、マイナスに見える要素を排除せず、パワーとして取り込むところが、古代人の良さだろう、と。
「難読」というマイナス要素を逆手にとって、自治体のPRに使った養父市の姿勢も、それに通じるものがあると思いました。
写真は遠野の河童淵の祠。