「新潮」八月号に、町田康さんの『ギケイキ』の書評書きました。
町田康さんの古典ものは凄く面白くて、『宇治拾遺物語』の訳も素晴らしかった。
その古典ができた当時の面白さを伝えつつ、いまの小説として読んでも滅法面白いという奇蹟のような作品なのです。
町田さんには古典の絶対音感があるのではないかと思うほど……。
『ギケイキ』の書評は、「古典とラディカル」というタイトル。
締めはこんな感じ。
「「居場所がない」と思う人には、とりあえずいまは『ギケイキ』がある。
『ギケイキ』を読めば、自分を縛る価値観なんて義経の早業の速度で変わると気づいてラクになる。そして、最もラディカルに見えるものが最も古典的、最も古典的なものこそがラディカルなのだと腑に落ちるはずだ」