田房永子さんの『お母さんみたいな母親にはなりたくないのに』、もの凄くいいです。
田房さんの本よむと、いつも思うんですが、本当に論理的。ある意味、理屈っぽいとも言えるんですけれども、その理屈が実に腑に落ちるように、漫画で描かれている。
なぜ自分はこう感じるのか、こんなことをしているのか……という、いちいちの分析が凄くて、だから、漫画で書かれているような「毒親」に育てられても、田房さん自身が毒親になることには歯止めがかかっている。
生半可な理性じゃできませんよ。
世の中にはA面とB面(人間の力ではどうしようもない自然の面)があるとかも納得ですが、毒だった親たちが田房さんの「機嫌を損ねないようがんばっている」「親が気遣ってくれると」「こんなにラクなんだ」とあるくだり、じーんとしました。
思えば私は親に気遣ってもらってこなかったなぁ。息子には気遣っても、娘には言いたい放題だったところがあったと思う。私だけ叩かれたりしましたし。
そういう負の思い出は、年と共に消えるどころか、くっきりしてきます。
自分にストレスを強いる存在からは「離れること」というのが基本ですが、そうもいかない場合は、田房さんの本を読みたいと思います。