子供時代、祖母がとんでもなくおいしいもののように言ってて、実際、食べるとがっかりしたのが、
「葛餅」
である。
きなこと黒蜜をかけないと、なんだ、これ! というほどまずかった。
でも五十代の今、葛餅は大好物となった。
ほかに、
「五家宝」
も祖母の好物だったが、最近これは見かけない。
その他、
「求肥の鮎」
「すあま」
「ババロア」
「エクレア」
が、好物だった。コーヒーも大好きで、戦前、ニューヨークで暮らしていたころ、毎朝のんでいたからというので、晩年も毎日のんでいた。
祖母は94で死んだが、最後の一年ほどは寝たきりだった。
相当期間、ゼリーなどだけで生きていたことを思うと、老人を胃ろうとかで生かすのは本人も苦痛だろうし、反対である。
食欲がない、食べない、口から出す……というのは、それが本人の意志なのだと思う。
この絵本は、祖母の友達が書いた本というので、祖母が私にくれたもの。今も大事にしている。↓