猫も羽<わ>で数えましょう(大塚ひかりの犬・猫・人・他)

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昔の男

  集英社の「青春と読書」というPR誌がある。

そこで下重暁子が「潔い負け方」という連載をしているのだが、今月号にかつてつきあっていた演奏家にまつわる事件の話が詳しく載っている。実名こそ出していないが、ネットで検索するとすぐさま名前が出てくる。

私も記憶にある事件だ。

 

下重さんはこの方とのことがよほど忘れられない思い出だったのだろう。

他の雑誌だったか本だったかでも、この演奏家との話を書いていた。

最近、この方の話が増えてて、詳細さもエスカレートしている気がする。

 

 

八十過ぎた人が、昔の男の話を書くのは、しかし凄くよく分かる気がする。

自分もいつ死ぬかも知れない。

下重さんの場合、お相手はまだ健在だが、相手の男が故人であれば、もっと書きやすいだろう。

宇野千代なんかも、けっこう昔の男とのことを書いていた気がする。書いていたというより、インタビューとかで聞かれて、「寝た」「寝ない」と、男との関係を答えていたのかもしれない。

 

いずれにしても、八十九十になって、昔の男のことを書いたり話すというのは分かる。

一種の自慢というか、武勇伝という色合いもあろうが、やはり何と言っても自分の命がいつ燃え尽きるか分からぬのであれば、このまま自分が死んでしまえば、自分に大きな影響を与えたあのころのあのことは、消えてしまう。そんな気持ちになれば、何かの形にしたいと思っても不思議はない。

また、本人もさることながら、相手の男が有名人であれば、後世、彼らの伝記を綴る作者にとっても、有益な資料となるに違いない。

 

などと考えると、こういうのは大いに書いてもらいたいものだ。

ほかの作家にも。

と、思うのである。

 

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