『吾妻鏡』治承五年閏二月二十五日条に、足利又太郎忠綱って出てきて、彼は清盛死後、平家に敵対して破れた志田(源)義広についていたものの、志田が破れたので、西海に赴くという文脈で出てくる。
彼が、"末代無双の勇士"で"三事人に越ゆる"という。
一に百人力、二に声が十里に届く(大声)、三にその歯一寸というのである。
歯が特殊というのは鬼神に通じる特徴で、反正天皇も『日本書紀』によれば、“歯一骨”、歯が一つながりのように美しかったという。
弁慶なんかは、生まれた時から奥歯、向歯が生えてて、“鬼神”というので父に殺されそうになったのをオバに助けられたという設定だ。
さっきの股太郎に戻ると、『吾妻鏡』には書いてないけど、この人、歯長又太郎って呼ばれ、築いた城は歯長城って呼ばれたらしい。歯長寺縁起というのもあるようだ。
歯長寺いってみたいです。