小谷野さんが小説「蛍日和」書いてるので、買った文學界10 月号。
愛妻物語でした。
若妻のキャラがまじにかわいく、こんな人がこの世にはいるのか! というほど全編妻への愛にあふれてる。
また、掃除機の愛称など、夫婦間だけの符牒があったりするのが、エロい(こういうのセックスより、なんかエロいよね)。たしかに仲の良い夫婦、家族にはこうした符牒があるものだよね。
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それで思ったのは、愛妻モノって、ほかにもあるけれど、愛夫モノって、あるのかな? ってこと。
まず愛妻家という言い方はあっても、愛夫家という言い方がない。
「愛」というのは、目下のものを愛でるという意味もあるから、女の地位が低い日本では、愛夫という言い方が成り立ちにくいというのもあるんでしょうが、世の物書きには、確実に「愛夫家」と感じるような人もいて、とくに漫画家なんかだと、夫のことをよく書いている人がいる。
『ダーリンは外国人』。
これは、夫が外国人だから成り立ってるところもあるでしょう。
あと、はぁちゅうの『旦那観察日記』。
これは、夫がAV男優というところへの世間の興味を先取りしているところもあるでしょう。
でも、これ、ブログで連載していたころ、ちらっと読んだところでは、まさに「愛夫物語」って感じで、夫への愛にあふれてた記憶がある。
こうしてみると、愛夫物語もけっこうありそうだし、これからはもっと出てくる予感もする……。
ただ人の旦那や妻の物語を読む、そこの何が面白いのか、という問題もあるんですが、それ言ったら恋愛モノだってそうなわけで、要するに、「人」の不可思議さとか、面白さ、また他人の夫婦関係を知りたいという「覗き見趣味」がもたらすエンタメ性、さらに我が身に引き比べ、心を動かされるっていう、読書の醍醐味があればいいわけだから、これはテーマ的にも全然オッケー、意外と面白いものだ、と思ったことです。
10/5(地域によっては10/7)売りの『くそじじいとくそばばあの日本史』もよろしくよ!