上野千鶴子は、
「わたしは親に愛されて育った」
と言う(『ミッドナイト・コール』)。
「ことに男親には溺愛された」(同前)と、
断言できてしまうところが、もうすでにあまりにも私とは遠い世界にいる人なのだ、
と思っていたし、今も思う。
「女の子なんだから」
「女の子でしょ」
「お姉ちゃんでしょ」
死んだ母親にクソほど言われたことば。
「だよじゃない、よだろう。口答えするな」
父親に毎日のように言われていた。
怒鳴られたりは日常茶飯。
叩かれることもあって、
「なぜたたくの?」と聞くと、
「子どもはまだ動物と似たようなところがあって、矯正しないといけないから。レディになったらたたかない」
とも言われた。
今思うと、動物なら叩いていいの?
おかちい。
幼少期をアメリカで育って、早くに父親を亡くしたため、落ちぶれ感の強い母親は、父のことを見下していた。
父はとてもストレスを感じていたと思う。
そのストレスはみんな私にきた感じ。
ここには書けないようなおかしなこともあったし。
小さいころは、ちょっと優しくされると、「ああ直ってくれたか」と思うんだけど、またもとに戻って、絶望してました。
子ども時代が幸せだったって言う人もいるけど、私は学校もつらかったし、二度と戻りたくないですね。