これも昨日話したことなのですが、
古典文学は単独ではなく複数で読んでこそ楽しめると考えます。
『源氏物語』だけでなく『紫式部日記』『枕草子』『栄花物語』『赤染衛門集』『伊勢大輔集』『和泉式部集』等々と複数読む事で、点と点が線になり、人物が立体化していく。
有名な“此世をは”も『御堂関白記』だけでなく『小右記』があればこそ知れるし、人物が動き出す。
『御堂関白記』だけだったら「この夜私は歌を詠んだ。皆で詠唱した」という情報しかなく、歌の内容までは知れなかった。それが『小右記』を読むことで、平安貴族の栄華を語る時、必ず引き合いに出される歌を知ることができ一気に視界が開ける気がする……ということが、複数の古典文学を読んでるとあるのです。
それは必ずしも「分かった」ということではないのですが、楽しい発見がそこにある。この楽しさこそ、古典文学を読む醍醐味の一つと考えます。