大河ロスに陥っている人も私の周囲には少なくないもよう。
今年の大河は画期的でしたものね!
xでもつぶやきましたが、
今年の大河、平安王朝を舞台にした、それも平将門とか清盛といった武士ではなく、貴族女性を主人公にしたこと自体、画期的で喜ぶべきことと考えます。
平安貴族の結婚は男が女の家に通って、新婚家庭の経済は妻方でもつ婿取り婚(子などが生まれると夫婦は独立)。家族の形が多様化しているといわれる現代になってようやく、こうした結婚形態の人々を主役に据えることができたのだなと。
今までの時代劇の貴族といえば、武士の引き立て役として男もオホホと笑う軟弱者に描かれることが多かったのが、今年の大河はちゃんと貴族の政治を描いていたのも良かった。経済的にも政治的にも女に力のあった時代や社会をやっと真面目に俎上にのせた点等、画期的で嬉しく、大河関連で呼ばれたイベントなどではそんな話もしたものです。
嵐がくるわ……このラストも武士の時代を予感させると同時に、
いまの日本の未来をも予感させる不穏な終わり方でした。
33年前、『愛はひき目かぎ鼻ーー平成の平安化』という本を出し、それを文庫化した『愛のしくみーー平成の平安化』のあとがきで、平成は平安化している、平安化のあとは武士の時代よろしく力と道徳の時代がくるのか……それは嫌だな、といったことを書いたものですが、
今まさにそんな嫌な感じになりつつある……
大河ドラマはそんな不穏な未来をも予感させる終わり方で、
色々と考えさせられました。