猫も羽<わ>で数えましょう(旧「大塚ひかりのポポ手日記」since2004)

一切皆苦の人生、だましだまし生きてます。ネットでは、基本的にマイナスなこと、後ろ向きなことを書くスタンスですが、ごく稀にうっかり前向きなことを書いてしまう可能性もあります。

芝崎みゆきさんが!

芝崎みゆきさんが、ブログに『やば源』のこと書いて下さいました。

いつも本当にありがとうございます!

miyukishibasaki.blog.fc2.com

 

芝崎さんは古代ギリシア古代エジプト、古代アメリカ文明の本を出してます。それがみんな手書き! 文字まで手書きなのです。

しかも凄いのは巻末の参考文献の数々。

そこにずらりと英文の論文も。

芝崎さんは高校生のころ、アメリカに留学してたから、英語がとても堪能で、こうしてちゃんとおおもとの英文の論文たちにもアクセスして、それを消化し、我々にわかりやすく、漫画で見せてくれるという離れ業をやって下さるのです。

私は芝崎さんの本は全部買ってる。

その価値があるからです。

 

 

芝崎さんに幸あれ!!

 

 

 

 

 

地味にこつこつ、辛気臭く、なかなか報われにくいこの仕事ですが……大河ということで源氏ブームがきている今、少しでも多くの人の目に触れますように。

意地悪レビュー

『やばい源氏物語』、アマゾンにさっそく意地悪げなレビューがついていた。

色んなことを書いている中、よりによって、紫式部道長の関係について、倉本氏の本を引用しつつ、比較するとは。

あれだけ見ると、さも私の説がいい加減に見えるけど、しかし、二人に関係がなかった、笑止! 的に断言もできないであろうと私は思う。

もちろん、あったと断言もできないわけだが。

あるなんて笑止みたいに倉本一宏さんが言ってるのを引用することで、「ある」としている私の本がとんでもみたいな引証操作をしているのです。



それについての私の考えは、下記に。↓

www.popote.tokyo

 

しかも「芸新」とだいたい同じ……って、それはないだろう。

 

このレビューの人、私の本読んだのは『やば源』が初めてで、しかもその理由が「芸新」に書いてたからというのが違和感。

なんで「芸新」に書いてると、読む気になるのだろう。

「芸新」がきちんとした雑誌に見えるからだろうか。

やっぱし世の中は権威主義の人が多いんだなぁと思った次第。

 

 

どうせなら、『嫉妬と階級の『源氏物語』』のほうが固い本なのだから、そっちも読んでほしかった。こっちのほうにこそ、道長紫式部の関係が「ある」と私がした理由が詳しく書いてあるんだから。

『やば源』は安いから手を出しやすいというのがあったのだろうか。

読んでくれたのは、ありがたいけれど。

正史に正史にと言う人は、

日本紀などはただかたそばぞかし。これら(物語)にこそ道々しく詳しきことはあらめ”

紫式部光源氏に言わせた一文を噛みしめてほしいものです。

 

どっちにしても、なんで、こう人の脚を引っ張ろう引っ張ろうとする人が多いのだろう。

物書きは、本が出ると、アマゾンにどんなレビューをかかれるのか、とくに最初のレビューにドキドキしているわけですよ。ランキングも気になって、一日に何度も確認したり……。

それがこんな感じの仕打ち……。

色々調べて苦労して書いて、こういう仕打ちが待っているわけだから、脱力するし、気鬱にもなる。

色々とばかばかしいですよ。

なんでこんな辛気臭い商売やっているんだろうとか、何もかもいやになってくるよ。

でも、これしかできないし、古典大好きだからやり続けるしかないわけだけど。

 

 

意地悪なレビューを書いた人に災いが降りかかりますように。

 

源氏物語のお勧めの現代語訳は

とよく聞かれるのですが、すいません、現代語訳でほとんど読んだことがないので、答えられません。

強いて言うなら小学館の日本古典文学全集(新編じゃないほう)がお勧め(もちろん私の全訳も。とくに「ひかりナビ」)。

注・原文・現代語訳の三段組みになってて、訳は逐語訳なので、良いです。

 

あと、瀬戸内寂聴さんの訳は昔、ちょっと読んで、意外に原文に忠実で良かったです。

谷崎源氏はもっと昔によんだけれど、難しすぎて、むしろ原文読むほうが良いと感じました。

 

 

源氏物語を手っ取り早く知るなら、やはり漫画がお勧め。

昔から漫画と古典ばかり読んでいた私としては、そういう感じになります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

頂いた本など

膝ってふつう、歩いてると、くの字に曲がるけれど、それが逆にぐきってなる時ないですか。

きょう、そんな感じになってしまって、痛いです。

右膝は三年前、半月板損傷になってから、色々大変。

半月板自体は再生しないから、毎日、脚上げ体操して周りの筋肉を鍛えてはいるけど……。

 

 

さて、ここ二、三日に頂いた本など。

朧谷寿さんの小学館版学習まんが『紫式部』、巻末の「もっとくわしく知ろう紫式部Q&A」では、朧谷先生が、清水好子先生とマンガになって登場してる!

私も、マンガにされたいいつか! と思いました。

 

 

川村裕子さんの『拾遺和歌集』、川村先生の他のご本同様、今回もかゆい所に手の届く親切さ!  「詞書」「部立」も説明してくれてる! コラム「代作について」に「代作を頼んで来た人になりきって作るのではなく、そこには頼まれた人の心情もひっそりと詠まれていることが多い」という指摘には、今まで薄々感じていたことが言語化された快感を覚えました。また、一つの歌から、さまざまな古典文学のエピソードが縦横無尽に展開するのが凄い! 歌の背景にあるイメージや時代認識が浮かび上がってきて、平安文化の勉強にとてもなるのです!

 

 

そしてこちらは版元から頂きました。

河合敦さんの『平安の文豪』。空海から西行九条兼実まで、男十人、女五人の文豪が紹介されています。

ちょうど「ハルメク」の百人一首の連載で、西行書いたばかりだから、興味津々。

日本霊異記』の景戒も収められている!

色々余裕ができたら、じっくりよもうと思います。

 

 

色々と忙しい。

しかし、なんで男は(と決めつけてはいけないが、うちの夫に限らず、友達の夫もそうだと言ってた)、タッパーのフタとか調味料のフタとか、きちっと閉められないことが多いのか。

なんのための筋肉なのか。

忙しい時や、急いでいる時に限って、そういうことがあるから、イライラする。

ラジオで、中瀬ゆかりさんが

ラジオで中瀬ゆかりさんが『嫉妬と階級の『源氏物語』』をご紹介くださいました(冒頭より1時間11分40秒後あたり)。

『くそじじいとくそばばあの日本史』にも触れて下さいました。中瀬ゆかりさん、本当にありがとうございます!!

https://radiko.jp/#!/ts/LFR/20231130080000

 

この本には自分的に期待しているので、がんばってほしいです。↓

 

 

この本も、タイトルはあれですけど、自分的にはとても好きな本なので、売れてほしい。↓

 

 

源氏物語の身体描写や、それがもつ意味など、いっぱい書いたので、ぜひ読んでほしいです。三田村雅子さんや、佐野みどりさんの原稿なども読みでがあり、買って損はないと思います。↓

 

 

 

「成果が出なくても、頑張りたい何かがあるという、その時点で十分幸せじゃないかなと思う」って、大谷くん、若いのにさすがだわ。たしかに……。

本日発売&博物館嫌い

どうぞよろしくお願いいたします。

 

発売日だってのに、アマゾンみると、全く売れてない感じ……。

やっぱタイトル、『源氏物語の革命』とかのほうが良かったんじゃないのかしらね……。

なんて思うけれど、まぁ仕方ない。

書店さんの評判はとても良かったとのことだし、

読めば、良さが分かるはず! うん、そうに違いない!!

 

 

三ヶ月ぶりくらいに上野の博物館に行く。

博物館て本当に疲れるから実はそんなに好きじゃない。

同じ仏像見るのでも、その仏像のあるお寺で見るのと、博物館で見るのとでは、断然博物館が疲れる(今は脚があれだから、じっと立ってるのがつらいというのも大きい)。

葛井寺で千手観音見たときは感動しても、博物館でみると、そうでもない……というようなことが、今まで本当に幾度となくある。

 

今回は絵巻。

絵巻も絵巻ばっかし、集められてるのを見るのはとても疲れる。

しかし絵巻って、見るたび感じるのは、思ってるより全然小さいってこと。

いつもその小ささを確認しに行くような感じ。

 

紫式部と道長

のあいだには、男女の関係は「なかった」としている人も最近は多い。

しかし、ひところは、「あった」ということが半ば通説のようにもなっていた。

これに関しては、私は「あった」のではないかと思っている。

理由は下記のブログに書いた。↓

www.popote.tokyo

 

私のこの本では、紫式部道長の「お手つき」という解釈をしています。

が、先にも書いたように、「二人に関係はなかった」とも断言できないし、「あった」とも断言できない。

本当のところは「分からない」というのが一番誠実な答えなのではないかとも思います。

 

 

J

Jを、チラッと読んだけど本当なのだろうか……

当事者である男性の証言をもとに書かれたようだが、

それ以外に、夜居の僧都みたいな証言者はほかにいないのかな……寂庵とかに……。

否定する人がいないということは本当なのだろうか。

それとも、誰かが否定しているのだろうか。

よく分からないが。

 

 

きょう発売の「芸術新潮」12月号に

源氏物語のこと、いっぱい書いてます。

www.shinchosha.co.jp

「はじめての源氏物語」は、拙著『嫉妬と階級の『源氏物語』』をベースにしつつも、書くことで、一歩自分の考えが進んだようにも思えた原稿です(源氏物語の「禁断の愛」もしくは「虐待」を中心に)。

登場人物の身体特徴とそれがもつ意味を分析した「ものがたり世界を身体測定する」もぜひ読んで頂きたいです。もとになったのは、以前もupしたことのあるこのファイル。↓

 

三田村雅子さん「「紫式部」の誕生」は、『源氏物語』のどの箇所がいつ書かれたかといったことに言及されていて、とても勉強になります。

伊野孝行さんのサザエさんばりの四コマ漫画も、素晴らしい。

プロの巧みさを見ました!

 

佐野みどりさん「源氏絵ギャラリー」はQ&A方式で、描かれた源氏物語に関して、とても深い知識が学べて、お勧め!

 

 

あ、あと、「マンガになった源氏物語」というコラムも書きました。