猫も羽<わ>で数えましょう(旧「大塚ひかりのポポ手日記」since2004)

一切皆苦の人生、だましだまし生きてます。ネットでは、基本的にマイナスなこと、後ろ向きなことを書くスタンスですが、ごく稀にうっかり前向きなことを書いてしまう可能性もあります。

大塚戸のからくり綱火(一言主神社)

maonima2016-09-18

おととし2014年に続いて、今年も茨城県常総市大塚戸のからくり綱火を見に行きました。
からくり綱火の起源は天正年間から江戸時代初期(横島広一『大塚戸の花火祭』)といわれ、無形民俗文化財にも指定されてます。
からくり花火と人形芝居があわさったなんとも幻想的なもので、浮世を忘れます。
http://www.joso-kankou.com/page/page000101.html(常総市観光物産協会HP)

最盛期には十万人の人出があり、観光バスは1年前から予約しても取れなかったりしたそうで、私が最初に一言主神社にいったのは2000年の九月で、当時書いていたブス論の取材で弘経寺に寄ったついでだったのですが、偶然にもからくり綱火のある日で、午前中だというのに、付近の駐車場はいっぱい。山道まで所狭しと何百という露店がひしめいていました。
が、当時はからくり綱火のことを知らなかったので、そのまま帰ってしまったのです。
その後、綱火のことを知り、2014年、14年ぶりに見に訪れてみると、露店は20とかそのていどで、山道までぎっしり埋め尽くしていた露店は夢だったのかという感じでした。

それでもこんな田舎とは思えないほど、駐車場はいっぱい、人もいっぱいで、はじめてみるからくり綱火の素晴らしさに、再び今年も訪れたわけです。


口上・万灯花火・テーマを決めたからくり花火(今年は「日高川」。安珍清姫道成寺です)という構成は2014年と同じでしたが、そのあとの奉祝花火がいくつかあがって前回より華やかでした。
しかし最盛期は奉祝花火五百発とか出てくるので、その頃よりは縮小されたようですが、こうした古い民俗を継承するのは並大抵のことではないと思います。


継承者の並々ならぬ尽力というと、静岡県水窪の田楽を思い出しますが、あの出し物の中にからくり綱火的なものがあったと記憶します。
私が見に行った三十年ほど前は、夜中の二時頃、木に綱を渡して、その上に船に乗った人形をのせ、火とともに操るものがあったかと。
水窪の田楽に関わる人たちは「能衆」といって、役割が世襲で決まってて、祭の時はどんな遠くにいても帰ってくると聞いた記憶があります。