うちは父がプロテスタントの信者だったため、
クリスマスは一年で最大の行事だった。
庭のひいらぎの木に電飾の飾り付けをして、
家では賛美歌を歌う。
「もろびとこぞりて」の「主はきませり〜〜」ではもるのが父のお得意だった。
夜になると、父が通っていた六角橋教会から、賛美歌隊が来て、門の前で「きよしこのよる」を歌っていく。それを、信者でもない母や、敷地内に住んでいた母方伯母や祖母も出てきて迎え、帽子のようなものに小銭を入れると、賛美歌隊は去って行く。
いつしか賛美歌隊は来なくなったような記憶があるが、幼心に、その光景がとても幻想的で、今でも忘れられない。
クリスマスでもないのに、なぜこんなことを書いたかというと、
今日、なぜか急にこの時の光景が目に浮かんで、
目頭が熱くなったからだ。
今年は色んな事がありすぎた。
とくに夏以降は心身共にこたえることばかりであった。
昔が良かった訳では全くないが、
クリスマスは子ども心にも大事な時間に思えた。