猫も羽<わ>で数えましょう(大塚ひかりの犬・猫・人・他)

♥️昔描いた漫画、毎週日曜更新予定♥️

日陰に萌えるもんはみんなコケ(by義父)

★WEB日本語更新http://www.web-nihongo.com/column/yakusenai/index.html



★★(以下、義父の意見も今朝、聞いて書き直した)
こけら落としの「こけら」って何?と思ってるうち、以前の日記http://d.hatena.ne.jp/maonima/edit?date=20080218で書いたように、夫の郷里の糸魚川では「きのこもコケもコケと言っていた」ということを思い出した。
で、こけを調べても、方言のところにも、語源のところにも、きのこっぽい感じはない。


しかしそういえば、きのこは古語では「たけ」だ。
と思って、日本国語大辞典で「たけ」(茸)をしらべると、その語源説は以下の通り。
1形が似ているところからタケリ(牡陰)の略。
2丈、竹、嶽と同義で直立の意。
3気味のタケキ(猛)義。
4笠のようにたけたつところから、タケ(長)タルの義。
5タケ(佗化)の義。
6タカコケ(高苔)の反

1はまぁ誰しも考えつきますわな。
注目は6。高い苔でタケという語源説もあったんだ。
これは『名語記』という本に記されている。
『名語記』は鎌倉時代の経尊という人が書いて北条実時に献上した辞書。経尊についてはよく分かっていないようだが、もしや糸魚川のある越後とか信濃とか駿河とか遠州とか、とにかく糸魚川近辺の出身か、そこに行ったことがあるか、あるいは鎌倉時代にはきのこをコケと呼んでいた地方の範囲が今より広かったのでは。
信濃と越後は遠いのでは?と思うかもしれないが、南信濃の木沢の霜月祭に行って、夫は何に驚いたといって故郷の言葉とイントネーションや語彙がそっくり同じだったこと。越前の言葉よりむしろ近いらしい。
土地の人によると、昔は秋葉街道なんかで南信濃村水窪糸魚川もつながっていて、今より「近い感覚」だったそうだ。


さて今朝、夫に郷里に電話してもらい、義父になぜキノコをコケというか確かめてもらうと、
日陰に萌えるもんはみんないっしょくたにコケっていったんかな」
とそれだけ。一分も話をしていない。あっさりしたものである。
「オヤジ、その後元気?(去年、心臓の大手術をした) あのさ、キノコってうちのへんではコケっていうよね?」
といきなり。義父も、
「キノコなんて、そんなこと、誰も言わん」
と応じて、「日陰に萌えるもんはみんなコケ」の語が出て来て「元気でな」で終わり。 
父と息子なんてみんなそんなもんだろうが、しかしさすが八十年糸魚川に住み続ける義父。夫より説得力がある。
日陰に萌えるから……って、なんか、こう都会にいる者にとってはむずがゆくなる言葉がさらっと出て来るところが、スレてなくて、朝から爽やかな気持ちになった。




『源氏』のプレ素訳がいま最終巻「夢浮橋」にいったから、終わったら「蜻蛉「手習」「夢浮橋」まで戻ってちゃんと素訳(素訳といってもそのつど五回は見直してるから)して、さらに「桐壺」に戻って一から見直しする段取りを頭で考えているが、プレ素訳を終えた時点で、『名語記』を読んでもっと詳しく調べたい。




★★★柳沢きみおの『極悪貧乏人』の3はなんで出ないんだろう。