『古事記』やってて思い出したんだが、
母の英語の生徒に藤木さんという子がいて、その子のお父さんは東大を出てサラリーマンしていたんだが、実家は上賀茂神社の神主で、先祖は太安万侶なんだって言ってた。
それで、
「うちの主人の家は天皇家より歴史が古いってよく言ってるの」
と、藤木さんの奥様が言ってて、この奥様というのがまた旧姓が結城さんといって、先祖はどっかの大名だったとか。
それも納得のサバサバ系の美人で、奥様は大学ではたしか日本史専攻だったのに、声楽やってて、コンサートも地味にしていたんだが、ファンもたくさんいたんだよな、とくに同性のファンが。
『古事記』の序って、『古事記』の本文より百年くらいあとに権威付けに書かれたんじゃないかとかいう説もあるけど、藤木さんに『古事記』の序についてどう思うかって聞けば良かったな。
藤木さんのお父様か誰か(生徒にとってはお爺さんか誰か)が亡くなった時、母が葬式に行ったんだけど、神式なのか、黒じゃなく、真っ白な飾り付けで、
「ああいうお葬式も清浄な感じでいいなと思った」
って言ってた。
藤木さんも奥様も今は七十過ぎてるはず。
それにしても土曜は楽しかったな。
古代マヤ・アステカ大全などの著書のあるあの人が家に来てくれたんだけど、私はもちろん、夫も子どもも嬉しそうで、
その人の来訪を思い出すと、
「まれびと」
ってことばが心に浮かぶ。
平凡な我が家にとって、遠くから来た不思議な神のような人だったなぁ、と、しみじみ余韻に浸っている。
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