猫も羽<わ>で数えましょう(旧「大塚ひかりのポポ手日記」since2004)

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不思議な犬のおじさん

maonima2005-10-27

 うちのシバは近所の人気者で、老若男女、いろんな人たちが、

「シバちゃ〜ん」

と話しかけたり、

「わんちゃん!! ワンって鳴け!」

と言ったりしている(うちのシバはほんとにめったに鳴かない。今まで鳴いたのは散歩中、私や子供に足を踏まれたときとカエルを見たときだけ)。外で人声がしても、

「ああまた誰かがシバに話しかけているんだな」

という感じである。とくに犬連れの人は必ず柵越しにシバに話しかけて行く。ときにはよその犬にシバが吠えられることもある。

 その朝も、よその犬がワンワンと吠えていた。それで子供が窓からシバを覗いたところ、

「いま信じられないようなことを見ちゃった」

と言う。

「なに?」

ときくと、

「犬を連れた知らないおじさんがシバにエサやってた」

と言うではないか。

「え?うそ。ひとんちの犬に〜? どこどこ」

と窓の外を見たが、後の祭り。おじさんと犬はいなかった。ところがそれから五分と経たぬうちにまた、

「ママ、ママ、またさっきのおじさんが来て、シバにビスケットやってる」

と言うではないか。すは!と見たら、犬を連れた、赤い帽子をかぶったおじさんがにこにこシバを見ている。そして、たしかにシバは見覚えのないビスケットを食っている。

「ひとんちの犬に勝手にビスケットやるなんて! だからちゃんとした食事を食べないときがあるのかも。シバもシバだね。誰からのエサでも食べるんだから」

とおじさんに文句を言おうと外に出たが、犬を連れたおじさんはすたすた角を曲がってしまった。しかたないので、こんなことして感じ悪いかな?と危惧しつつも、小さな板っきれに

「エサを与えないでください。シバより」

と書いて、ぶら下げておいた。これで良し!と思っていたら、信じられないことにまたまた、

「ママ、ママ!! またさっきのおじさんが来て、シバにビスケットやってる!」

と子供が叫ぶではないか。

「ええ〜? 板っきれ、見えなかったのか!」

と、さすがに三度目ともなると、私も切れてしまい、パジャマ姿で外に出てだーっと走って角を曲がると、犬連れのおじさんがいる。しかしおじさんの名も犬の名も知らない私は、

「犬のおじさーん、いっぬっのおじさーん!!」

と大声で叫んだ。道行く通勤途中のサラリーマンや、小学生がいっせいに私を見たが、犬のおじさんは振り返らない。ダッシュで追いつくと、おじさんはイヤホンをして何かきいている様子。それで近づいて、

「すみません!」

と言うと、不機嫌な顔で振り向くではないか。うっこわ…とは思ったが、ここまで来たら引き返せないので、

「あ、あの、うちの犬にエサをやらないでもらえますか」

と言うと、急におじさんはすまなそうな笑顔になって、

「あっ、すみません」

と恐縮して行ってしまった。

 あとから子供が言うには、

「よその犬に吠えられたら、その犬の飼い主に餌付けしてもらうと、よその犬も仲間だと思って吠えなくなるって本に書いてあるから、そのおじさんもシバにエサをやったんじゃない?」

とのこと。そうかもしれない。しかし、行きつ戻りつ三回もエサをやるとは。やっぱりシバの可愛さが尋常ではないからなのでは…と最後は親バカな私であった。

 板っきれはもちろん、すぐに外した。

","KAZUYA『なんだか孫にお菓子をあげるおばあちゃんと、それを嫌がるお母さんの話のようですね。私も東京で、深夜、コンビニへ行った帰りに熱帯夜でヒーヒー言いいながら寄ってくる近所のシベリアン・ハスキーを見て、家から水を持ってきてやろうと思ったことがありました。水を入れたお皿を鎖でひっくり返してしまったようなのです。しかし、深夜3時に、他家の犬に柵越しに水なんかやってると、いかにも怪しくて、パトロールの警官に咎められやしないか、と思い、止めました。そういう時は、どうしたらいいんでしょうね。ピンポンとドアを鳴らして飼い主に知らせる時間帯じゃないし。翌朝、もう一度見に行ったら、お皿に水が入っていて、ハスキー君は、スヤスヤ寝てました。私も安心して朝刊を読んで燃えないゴミを捨ててから寝ました。』
hikario『わーいカズぼっちゃま、久々の書きこみ、嬉しうございます! そうですね、のどがカラカラで赤い舌をへーへー出してる犬には、水あげたくなりますよね。その気持ち、分かります! シバを散歩させてる時、シバがへーへーやってたら、見知らぬ中年女性が「これ上げていいかしら」と伊藤園お〜いお茶をくれようとしたことがあって、「ありがとうございます。でもお茶はアレなんで」とお断りして、近くの公園でのませたことあります。捨て置けない感じがするんでしょうね。』