猫も羽<わ>で数えましょう(旧「大塚ひかりのポポ手日記」since2004)

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風呂まわりを熱く語る男

お風呂の扉が壊れたので、今日はお風呂の扉関係の人、Kさんが来た。
お風呂の蓋も継ぎ目のとこが切れたので、交換してほしいと言うと、
「この蓋は十年以上もつようにできてるんですが、カビ取り剤なんかを使うとゴムが痛んで、だめになることあります」
とKさん。
「ああ、カビキラー使ってますよ」
「カビ取り剤は、なるべくこうしたユニットバスには使わない方がいいんです。カビ取り剤のコマーシャル見ていれば分かるんですが、あれ、舞台となってるのは必ずタイルのお風呂まわりなんですよ。タイルとかならいいんですが、ユニットバスの風呂まわりはプラスチック製ですから、ダメになります」
「そうなんですか! カビキラーはユニットバスでは使わないがいい!」
「はい。茶色っぽくなった時点で、スポンジでよく洗えば洗剤を使わなくてもカビはできません。カビができてからじゃ遅いんです。カビができてからだったらクリームクレンザーをやわらかいスポンジにつけて、研磨剤の力でカビを落とすのが一番ですね。今は洗剤のいらないカビ落としのスポンジも売ってますから、そういうものを使うのも手です」
「へ〜」
「あと、換気をしている時は窓と扉は閉めてください。でないと、換気の意味がない上、お風呂の窓を開けてると、外のほこりが入って来てカビのもととなるんです」
「へえ〜知りませんでした」
「とくに近くに畑がある場合なんかだと、土にはいろんな微生物がいますから、それが風に乗って入って来て、お風呂はちょうどいい湿度・温度ですから、それらの微生物が培養される形となって、カビの温床となります」
「知りませんでした。だって窓を開けてれば換気は要らないって思うじゃないですか」
「いや、私もこの仕事二十年やってて、いろんなお客さんのお風呂を見てきて、十年を過ぎた頃から気づいたんですよ。いつも窓を開けているお宅のお風呂はカビが多くて、逆に窓がなくて一日八時間とか換気をしているお宅のお風呂のほうがカビがないってことに」
「へえ〜」
 と、ここでKさんはいきなり洗面所の戸を閉めて、私はKさんと狭い洗面所に閉じ込められる。
「換気は最低でも一日三時間してください。また、換気をする際、一緒に風呂の隣のトイレの換気も回して、洗面所の入り口をこうして一センチくらい開けておくと(と言ってKさんは洗面所の戸を少しだけ開ける)、物凄い風が発生して、脱衣場も換気されます。窓を全開にした時より、少し開けた時の、すきま風が一番勢いはいいんです。ほら、ここから勢いよく風が来てるでしょう」
と、実験までしてくれるKさん。
「は〜」
 だんだん息苦しくなってきて、そっと洗面所の戸を開けて、私は洗面所から出て、Kさんの話の続きを聞く。
「この原理を知れば、家のあらゆる場所の換気に応用できます」
 Kさんは小一時間、熱く風呂レクチャーをして帰って行った。
 一つ事を究めた男はきらきらしてますなぁ。
 見積もり書は来週。