猫も羽<わ>で数えましょう(大塚ひかりの犬・猫・人・他)

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東海道四谷怪談

maonima2010-08-10

昨日は東海道四谷怪談
歌舞伎は昔からずいぶん見ているけれど、生首がごろんとしたり筋が辛気くさかったり、世界観や女性観が嫌いだが、四谷怪談はブス論的にも興味あるし、親の因果が子に報いで醜くなるというそれまでの累説話なんかと違って、薬で醜くなるという、因果の糸を断ち切った近代的なところが好きなもので(だから私はこの話を因果因縁の世界とはとらえない。そういうふりして、実は言ってることはそうじゃないと思ってる。ただし薬で面体を醜くするのは柳亭種彦『浅間嶽面影草紙』にも)。伊右衛門の拝金主義とかDV、お熊の児童虐待(劇には出てこなかったが)もろもろが現代日本以上だし。
要するに古典としてよく出来ているから、現代劇として楽しめるんだよね。



夫が早めに良い席を取ってくれたので、目の悪い私も役者の顔が近くでよく見れた。
海老蔵伊右衛門は色っぽかった。
勘太郎のお岩は最初に出てきた時から幽霊みたいだった(てか、お岩は序幕の登場感がいちばん良かった)。
直助は中村獅童
「三角屋敷」は略されたが、平成15年に見た「市川猿之助 七月大歌舞伎」の四谷怪談忠臣蔵では上演されたことが手元の筋書でも分かる。この時は猿之助が直助で、筋書によると、
「普段、あまり上演されない〜三角屋敷〜が出るのがミソ」ではあったのだ。



私としては、蛇山庵室の場の前の、伊右衛門の夢の場面を上演してもらいたいものだ。
ここ、まだ美しかったお岩と伊右衛門のかけあいがロマンチックで綺麗だし、伊右衛門の深層心理を浮き彫りにして、大事な場面だと思うんだが。この場面で、伊右衛門とお岩が、
"岩にせかるる滝川の"
"われても末に逢はんとぞ思ふ"
"われても末に……"
と歌うところが、とくに愛の怖さがぞくっと迫ってきていいんだよな。




「くんすかくんすか」(パパスリッパを抱き寝の猫1)