猫も羽<わ>で数えましょう(旧「大塚ひかりのポポ手日記」since2004)

一切皆苦の人生、だましだまし生きてます。ネットでは、基本的にマイナスなこと、後ろ向きなことを書くスタンスですが、ごく稀にうっかり前向きなことを書いてしまう可能性もあります。

マンガと古典

古典おたくなので古典は何でもいける口(?)なものの、最近、自分的には『古事記』にいっちゃってるんですが、ここんとこまた『源氏物語』関連の面白そうな本が続々と出ていて、そそられます。
マンガでよむなんちゃらってのも『源氏物語』に限らずずいぶん出てますが、また自分語りで恐縮ですが、まぁここは自分のブログだし、語ってしまうと、幼稚園時代から、マンガが好きで自分でマンガを描いたりもしていた私は、父の押しつける岩波少年文庫とかはほんとにつまんなくて、自分では本嫌いな子だと思っていました。
それが中学時代、『宇治拾遺物語』を読んで、マンガに通じる面白さがあると感じた。
古典とマンガって相性がいいんですよね。



で、
『マンガでわかる源氏物語』、これ、上原作和さんが監修なんですね。
源氏物語』の訳で一番閉口したのが音楽で、なにしろ琴一つとっても、和琴、琴(きん)の琴、箏の琴ってあって、琴の琴なんて当時すでに廃れていたんだから、どんな音なんだか? ってなもんです。だけど、どの楽器を誰がどのタイミングで弾くかってことの意味が、物語を読む上ですんごく大事で、これがわかんないと、『源氏物語』の楽しみも半減しちゃう感じなんです。
上原さんは千年前にすでにブームが去っていた琴の琴を自分でも弾いてるだけあって、そこいらへんが詳しくて、『<琴>の文化史』(勉誠出版)などの本を送ってくださったり。
『<琴>の文化史』には、『源氏物語』の訳の時、ずいぶんお世話になった石田百合子先生とか、あと、『日本文学における琴学史の基礎的研究』(米子工業高等専門学校 原豊二研究室)を下さった原豊二さんや中丸貴史さんも書いてらっしゃいます。



って、マンガの話から逸れましたが、『マンガでわかる源氏物語』、まだ「末摘花」の巻見ただけだけど、
「末摘花の数少ない長所として、“父に可愛がられた”点が上げられている」
「現代なら父が子を愛するのは当たり前ですが、当時の結婚は今より流動的」で、
「父に認められた子であることは、長所の一つとされたのです」
ってね、これ、『古事記』とかでもそうですよね。
複数の妻がいれば、いちばん愛する妻の子だったり、その子が美人だったり、兄と弟なら弟のほうとかが、父に愛されることが多いんだけど、
末摘花はブスなのに父に愛されるって凄いことですよね。
そういう設定にした紫式部が凄いです。

マンガでわかる 源氏物語 (池田書店のマンガでわかるシリーズ)

マンガでわかる 源氏物語 (池田書店のマンガでわかるシリーズ)