古典の話ができるような夫だったらなぁと思う時もあるが、眠眠打破のみながら麻雀するような夫だからこそ、長年やっていけてるのかもなぁという気もする今日この頃。
それとは別に、やっぱし大学院行ってればなぁとも思ったりする。
黒田日出男先生も勧めて下さったのに。
でも、母親に「これ以上学歴つけたら嫁のもらい手なくなる」
「行くとしても、一切学費は払わないわよ」
と言われ、それを押してまで行く根性もなかった。
色々考えると、悲しい……。
が、おかげで、広告業界の人たちと知り合えて、それはそれは刺激的な日々だったので、もしも院などいってたら、得られぬものをたくさん得たと思うと、まぁいいんだけどね。
夫とも出会えたわけだし。
あのころの体験は、古典文学の読みにも凄く影響を及ぼしていると思う(それはそれは、面白い人たちがいっぱいだった。それこそ光源氏みたいな人もいた)。
とにかく広告業界がいちばん元気な時代だったからあのころ。
今思い出しても、華やかな日々……(つらい思いもしたけれど)。
それにつけても、源氏物語の全訳の機会を与えてくれた筑摩書房には感謝しかない。
最初、「やらない?」と言われた時は「えっ私なんぞが」と思ったけれど、
この仕事をやったからこそ、源氏物語をはじめとする古典文学の読みも深まった。
もちろん源氏物語はそれまでも何度も通読していたけれど、読むと訳すは大違い。
もともと調べ好きな性格なので、引用されている漢籍などにも可能な限り当たって調べたおかげで、得られたことは莫大だった。
もう15年以上前の写真。若い……「古典は原文を読むべきです」なんて言ってるけど、今は全然違う考え。訳でいいし、マンガでもいいと思ってる。
そこから原文にいければなおいいんだけど、海外の人とか、翻訳された源氏物語を読んでも楽しめてるわけだし、私らもギリシア神話、ラテン語でよまないし、シェイクスピアでさえ英語じゃなく日本語訳でよんで、それで楽しんでいるわけだから。