猫も羽<わ>で数えましょう(旧「大塚ひかりのポポ手日記」since2004)

一切皆苦の人生、だましだまし生きてます。ネットでは、基本的にマイナスなこと、後ろ向きなことを書くスタンスですが、ごく稀にうっかり前向きなことを書いてしまう可能性もあります。

ハンチバック

ふだんは古典文学と漫画、ドキュメンタリー、必要に応じて研究書ばかりで、小説はよほどのことがなければ読まない(読む気にならない)私が、これはどうしても読みたいと思って注文。

著者が作中でなるほどと思わせる批判を展開している「紙の本」の届くのを待って、きのうやっと届いたら、もう一気読み。

 

 

なんというか、古典文学や漫画並みに面白い。

ラストは一瞬よく分からなかったが、もう一度冒頭から読み返したら、ああっとなった。

このラストがなかったら、ずっと薄っぺらな物語になってしまったであろうというほど、このラストがあるからこそ、小説の余韻が半端ない。

 

届いた時、本の薄さを見て、これでこの値段と思ったが、そんなことはなかった。買って良かった。

 

 

 

しかし、こういう本よむと、やはり、その作者の置かれた環境と作品というのは、絶対切り離せないものなのだと痛感する。

作品と作者をあまり結びつけることに関しては、古典文学でも昔から批判のあったところだが、私は一貫して結びつけて考えてきた。

とくに『源氏物語』は、結びつけて考えざるを得ないところが多すぎるので。