猫も羽<わ>で数えましょう(旧「大塚ひかりのポポ手日記」since2004)

一切皆苦の人生、だましだまし生きてます。ネットでは、基本的にマイナスなこと、後ろ向きなことを書くスタンスですが、ごく稀にうっかり前向きなことを書いてしまう可能性もあります。

神保町の楽しみ

昨日、中高時代の友達と神保町で御飯食べたり古書店寄ったりお茶したりぶらぶらしました。

素晴らしかったのは溝口書店。

ここで五百円以上の買い物すると、トークンみたいなコインくれて、二階の自販機で好きな飲み物がのめるシステムになっているんです。

それで、友達と二人で(友達はふつうに150円払ってのみものを買った)二階でお茶しました。

二階からは景色(といっても古書街の道とか)が見えて、ゆったりできて、幸せ感じました。

 

 これ買いました。手薄な江戸時代もフォローしていきたいと思って。絵があって良いです。「へマムシ入道昔話」っていうお話の題に惹かれました。

草双紙集 (新日本古典文学大系 83)

草双紙集 (新日本古典文学大系 83)

 

 

 

シバ毛抜けの季節に突入、ちょっとのブラッシングで毛が一杯。黒っぽい服が毛だらけになりました。↓

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歯長又太郎

吾妻鏡』治承五年閏二月二十五日条に、足利又太郎忠綱って出てきて、彼は清盛死後、平家に敵対して破れた志田(源)義広についていたものの、志田が破れたので、西海に赴くという文脈で出てくる。

彼が、"末代無双の勇士"で"三事人に越ゆる"という。

一に百人力、二に声が十里に届く(大声)、三にその歯一寸というのである。

 

歯が特殊というのは鬼神に通じる特徴で、反正天皇も『日本書紀』によれば、“歯一骨”、歯が一つながりのように美しかったという。

弁慶なんかは、生まれた時から奥歯、向歯が生えてて、“鬼神”というので父に殺されそうになったのをオバに助けられたという設定だ。

 

 

さっきの股太郎に戻ると、『吾妻鏡』には書いてないけど、この人、歯長又太郎って呼ばれ、築いた城は歯長城って呼ばれたらしい。歯長寺縁起というのもあるようだ。

歯長寺いってみたいです。

 

私の読んでる『吾妻鏡』。新人物往来社の古いやつです。↓

amzn.to

昔は毒親ばっかし

いま後醍醐天皇のこと、調べているんだが、後醍醐天皇というと、皇子の護良親王のこと思い出す。

そして護良親王っていうと、子どものころ、鎌倉で見た、幽閉されてた土牢を思い出す。

ほんと、この時のショックは今も忘れられない。

こんなに暗い、じめじめしたところで……と。

後醍醐天皇といい、昔は身分の上下を問わず、今で言う毒親だらけです。

 

 

土牢っていうと、二十年前だったか、友達がスイスにいて、そこに行ったとき、お城の地下牢に連れてってくれて、これも石でできてて怖かった。

こんな所に閉じ込められたら、心身共に間言ってしまう。

それが目的なんだから、人間て恐ろしいですね。

本の宣伝です

最近は売れないとすぐ絶版になってしまいますので、ぜひ今のうちにお買い求め下さい。↓

「『昔は良かった』の嘘を知ることは、たくましく、したたかだった先祖のパワーを知ることでもあり、肩の力を抜いて今を生きることにつながるのです」
「善悪問わず、現代人がやったていどのことは、とっくの昔に誰かがどこかでやっている」

 

 


なぜ昔の河童は可愛くないのか? 風来山人こと源内さんの書いた『根南志具佐』の河童は可愛いのか等、その他、古典の屋台骨とも言える性のことを書きました。

 

本当はエロかった昔の日本 (新潮文庫)

本当はエロかった昔の日本 (新潮文庫)

 

 

 

 

昔話の老人はなぜ働き者なのか、なぜ子供がいない老夫婦や独身爺さんが多いのか、など調べて考えて書きました⇒文庫 昔話はなぜ、お爺さんとお婆さんが主役なのか (草思社文庫) 大塚 ひかり

 

 

猫集めてる?

娘がウクライナのエアビーのホストからもらった猫カップと置物。ウクライナではホステルのロッカーに鍵をしてたのにパソコン盗まれるとかひどい目に遭った娘だが、次泊まったエアビーのホストが一緒に警察行ってくれたり凄く親切にしてくれたとか。

 

 

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こうしてみると、うちには猫が多い。

ほかにもたくさんある。

私って猫集めてる? とか思ってしまうけど、集めてるつもりはない。

集まってくるんだよね。

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「スキャンダルで読む百人一首」24回目

「ハルメク」12月号「スキャンダルで読む百人一首」24回目は菅家。史上最強の怨霊となった道真です。学者と鬼のこと書きました。学者の醜パワーのことは『美男の立身、ブ男の逆襲』(絶版)で昔書きました。それにしてもマダムさちこ、菊池体操のきくちかずこ、若い……。

magazine.halmek.co.jp

 

こないだ白楽行ったら、こんな写真がはってあった。30年前、最初の本が出た時、亡き祖母が横浜の有隣堂でもらったらしい。祖母の生前はしまってあったのを、捨てるのも……というんで、出して張ったようだ。いま見ると、「大型新人」みたいに書かれてて恥ずかしくも悲しい。

今は物置になっている古屋の壁に、ゴミにまみれて張ってあったのだった。

 

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思えばこのころはなにも考えてなかった。

さいころからマンガと古典が好きで、漫画家になりたいみたいな思いはあっても、文章を書くのは苦手だと思っていた。ただ、この失恋という未知の体験からくるさまざまな感情を残しておきたい一心で、書いた覚えがある。

だから、二作目は書けなかった。

ありがたいことに注文はきたものの、また恋愛もので……と言われても、書きたいことが何もなかった。

ただ一貫してのめりこんでいたのは古典文学だったので、書くなら古典の面白さを伝えるようなものだろうか、と思った。

紫式部集』なんかで、紫式部が結婚前、男と歌をよみかわしていると、文庫の注なんかには「藤原宣孝を指す」みたいに書いてあって、何の根拠があるのか? 夫とは限らないのではないのか? など、いろんな疑問を感じていたし、自分なりに思うことが色々あったので、そういうことを書いていきたいと思った。

それが二作目の『愛は引き目かぎ鼻……平成の平安化』だった。

これ以降は「ほぼ」一貫して古典のことばかり書いている。

 

 

いつの日か別の日か―みつばちの孤独

いつの日か別の日か―みつばちの孤独

 

 

 

 

イメージの活用

吾妻鏡』によれば、承久の乱後、後鳥羽院が流される途次、出雲で、
“しるらめや憂きめをみをの浦千鳥鳴々しほる袖のけしきを”
って詠んでて、やっぱ千鳥って、哀しみのこもった鳥なんだなと改めて思う。

古事記』でヤマトタケルの魂が千鳥になって磯を伝った、そういう哀しみのイメージが千鳥にはあると、町田康さんのラジオに出演した時、話したけれど、改めて、ことばのイメージについて考えさせられる。
30年位前、佐藤雅彦さんがイメージで読み書きできないかとか言ってたけど、多かれ少なかれこういうことばの持つイメージを踏まえて読み書きしているわけだよね。

 

とりわけそうしたイメージの宝庫が古典文学であり、古都であるわけだ。

古い都、古い土地では、ちょっとした風景にも、歴史の深みというのがにじみ出るようなところがあって、こういう古都やら古典文学やらの使い手が、優れた書き手になるわけなのだろう。

 

 

きょうは中高の同窓会。

何十年ぶりに会う人もいて、あの頃の話をまたしたりして笑い、すっかり忘れていたことにも笑い、楽しかった。

気づいたら六時間も経っていて驚いた。

帰宅後、頭痛。赤ワインのせい。たった一杯なのに。

関連痛

歯科的には「関連痛」ってのが一つ大きなものとしてあるというのは知ってはいたが、

ここ最近、その恐ろしさを身を以て知った。

10/中旬、目の痛みから肩痛、頭痛、歯痛に発展し、もうもともと何が痛かったのか分からぬようになった。

が、冷静に考えると、やっぱ目かも……と目医者に行き、よくこんなの我慢してましたね、ひどい遠視⇒老眼です、と。

1老眼コンタクト&メガネ

2白内障はないけど、白内障手術により眼内レンズにすることで視力を上げ、軽いメガネで調整

どっち? というので1を試すも、この年までコンタクトしたことない&目が乾燥してたので、はめたレンズが取れずに大変な思いをする。

医者もその妻たる友人も「手術を積極的に考えたほうがいい」とのこと。

 

 

その後も目と肩と歯の痛みは続き、わらにすがる思いで以前、大学時代のサークル友達の教えてくれた近くの漢方医で、目に効くとかいう漢方を処方してもらう。気休めだ。

 

 

さらに翌週、医科歯科へ行き、やっぱ「関連痛だろう」ということが分かる。

実際、目の痛みが薄れると肩の痛みが和らぎ、すると歯の痛みが消えた。

 

 

こういうの、人間関係にもあるのかもしれない。

あいつが死ねば、痛かった肩、マイナスな感情が雲散霧消するといったような……。

歴史の中にもそういう様相があるのではないか。

などと考えつつ、女系図でみる日本争乱史8回目を書いてる。

 

 

 

『吾妻鏡』の喜び

 

北条政子―尼将軍の時代 (歴史文化ライブラリー)

北条政子―尼将軍の時代 (歴史文化ライブラリー)

 

 

医科歯科ナベちゃん癒やされる。

医師を選ぶ時は腕もさることながら、さいごは人柄だと思う。

 

 

 

吾妻鏡』読んでると面白いだけでなく、大学時代、仲良かった野村さんと、「密懐いいよね」「女人入眼!!」などと盛り上がったことを思い出して、ほんわか楽しい気分になる。