亀山早苗さんの『渇望』。
サブタイトルは「性、更年期、そして孤独感」。
帯は「書かれなかった五十代の性(さが)」。
これって、私(来年、五十ですから)のために書かれた本じゃないの!と、そのど真ん中ぶりに、ページを開けば、
「七年ぶりのセックス以来、奔放な性に耽った四十八歳の残照」
だの、
「離婚後、放埒な性に身を委ねた女性部長が涙した“老いの烙印”」
「屈辱の浮気絶倫夫との二十七年、我慢の末にながす後悔の涙」
だのだの、「婦人公論」の人気連載だっただけあって、その方面のそそる小見出しが目次に満載。
一気読みでした。
子供に「ママ、何読んでるの〜?」と覗きこまれ、
「こ、これってエロ本だよ」と引かれながらも、ががーんと一気。
相変わらず亀山さんは面白い。
しかも今回、亀山さん自身の人生と取材対象がいつも以上に重ねられていて、すぐさまそんな姿勢はこちらにも反映され、「私だったらこういう時どうする? 私自身はどうなのかな?」と、気づけば自問自答しているような。
軽く読めるのに、重い一冊。
- 作者: 亀山早苗
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2010/11
- メディア: 単行本
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