猫も羽<わ>で数えましょう(旧「大塚ひかりのポポ手日記」since2004)

一切皆苦の人生、だましだまし生きてます。ネットでは、基本的にマイナスなこと、後ろ向きなことを書くスタンスですが、ごく稀にうっかり前向きなことを書いてしまう可能性もあります。

『一度きりの大泉の話』&ラジオ出演

『一度きりの大泉の話』、読みました。

まず、紫式部の毒気もこんな感じかと思った。

自分でも書いてたけど、ショックなことがあっても、怒ったり説明したりするより、まずびっくりして怒れないというのは私も分かる。

 それに、自分なんかに嫉妬する人がいるわけない、という自己肯定感の低さも毒親育ちならではで、うなづく人は多いのではないか。

あれほどの天才でもなお……という驚きはあるが、それほど毒親の毒気は強力であるということだ。

 

 

が、あれほどの天才が、同居する竹宮惠子や増山の影響を受けないわけはない。そこを否定している感じなのは、一種、天才の傲慢さという感じがする。

いや、どうなんだろう、もっと良い表現ないかな……。

 

 

いずれにしても出してくれて良かった、『紫式部日記』や『枕草子』、あるいは彼女たちの家集みたいなもので、当事者の意見はなるべく多いほうがいい。複数あったほうがいいのだ。

 

にしても、萩尾望都が親にやられたことと比べたら……と思うと、やはり毒親育ちの影響は大きいと感じる。

毒親育ちは江戸の仇を長崎でうつというか、親にぶつける憎悪を他人にぶつけるところがある。

彼女は親とこそ絶縁すべきだったというのが読後感だが、嫌な人からのメールはそれだけで震えがくるから、近づかないのが吉というのは、もう物凄く分かる。

親は生半可なことでは絶縁できないけど、

他人なら、痛みはあったとしても、できるものね。

 

 それを書く意味は……ということで言うと、

後世の研究素材が複数あったほうがいいという意味でも、よくぞ書いてくれた、と思う。

ここまで追い込まれた本人はさぞかしつらいことであったと感じるが。

そして私は、この本によって、竹宮惠子の印象などは全く悪くならなかった。

むしろ両者のマンガをまた読み返したいと思った。

読んでいる時は毒気が強くてしんどかったが、読後感は、出てくる人全員がいとおしい気持ちになっているから不思議だ。

萩尾望都の筆力は凄い。

これが、紫式部同様、天才というものなのか。

そう感じた人は多かろう。 

一度きりの大泉の話

一度きりの大泉の話

 

 

 

 

それから、明日27日、「伊集院光とらじおと」に出ます。10時から生放送。

金曜23日に急にきた仕事で、たぶん誰かが急に出れなくなったのではないか。

とはいえ、『うん古典』の話をとのことできた仕事だから、その告知を見て、急遽、

「そうだ、この人」ってなったのだろうから、ありがたい。

 うんこ様々。

うんこファーストで生きてきた甲斐がある。

うん古典: うんこで読み解く日本の歴史

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  • 作者:大塚 ひかり
  • 発売日: 2021/04/28
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

 

毒親の日本史(新潮新書)

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