猫も羽<わ>で数えましょう(旧「大塚ひかりのポポ手日記」since2004)

一切皆苦の人生、だましだまし生きてます。ネットでは、基本的にマイナスなこと、後ろ向きなことを書くスタンスですが、ごく稀にうっかり前向きなことを書いてしまう可能性もあります。

和楽のふろく

かれこれ20年近くになるだろうか、

フィリップモリス時代から毎年購入しているカレンダー基金が、今年いっぱいで終わってしまうので、カレンダーどうしようと悩んでいたところ、和楽の付録が良さげだったので購入(付録目当てに雑誌買うってwwなんて思ってたのが、まさしくドストライクで付録目当てwww)。

二つついてるうちの一つはトイレ、もう一つはリビング(兼書斎・兼キッチンw)に飾ることにした。

が、こっちは壁掛け穴ついてないので錐でキリキリあけて設置。↓

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和楽の付録

 

こちらは今年いっぱいで終わりのカレンダー基金のやつ。好きだったのですが……。↓

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和楽、もう十年ぶりくらいに買ったのだが、これってお買い得ではなかろうか。

彬子女王が書いてる「イノリノカタチ」が六道の辻の子育て飴でおー! と思った。てか、女王が連載て、凄いな。

綿菓子食べてる写真が可愛い。

 

和樂(わらく) 2019年 12 月号 [雑誌]

和樂(わらく) 2019年 12 月号 [雑誌]

 

 

 

『古事記神話入門』&「産経新聞」で『女系図』が

三浦佑之先生から、『古事記神話入門』をご恵贈頂きました。

三浦先生とは十年以上前、対談で一度お目にかかったことがあります。

先生の『口語訳 古事記』は拙著でもよく引用させて頂いてますが、注も充実している上、古老の語り形式の訳がほんとうに良いのです。

 

古事記神話入門』は、これから読むつもりですが(旅に持参するつもり)、関東にはカラー写真、系図もふんだんに入っていてわくわくです。

 

古事記神話入門 (文春文庫)

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私は完全版の大きな本を愛読しています↓

 

口語訳『古事記』 完全版

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口語訳 古事記 神代篇 (文春文庫)

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口語訳 古事記 人代篇 (文春文庫)

口語訳 古事記 人代篇 (文春文庫)

 

 

 

 

 

 

 

それからきょうネットで知ったのですが、まさかの「産経新聞」で『女系図でみる日本争乱史』が紹介されていました。

まさかの、というのは、これ、フェミニズム的にけっこう意味のあるしごとだと思っていたので、産経さんが! という驚きがあったのです。

そういえば2010年から2015年まで、産経新聞の夕刊で連載していたことがあるんですが、思っていたのより全然自由に書かせていただいて、ふところの深さに驚いた記憶があります。

(今は夕刊もなくなってしまいましたが)

産経さん、ありがとうございます!↓

www.sankei.com

 

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女系図でみる日本争乱史 (新潮新書)

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こちらは第一弾(アマゾン)↓

 

女系図でみる驚きの日本史 (新潮新書)

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保元の乱とお下がり妻

古典文学を読みながら系図を作っていると、いろんな発見があるのだが、その一つが「お下がり妻」と保元の乱の関係だ。

保元の乱に関わった平清盛に、白河院の御落胤伝説があるのは有名だ。つまり清盛の母は「お下がり妻」であったわけだが、ほかにも御落胤ではないにせよ、藤原忠通の母源師子も『今鏡』によれば、白河院のお下がり妻である。また、崇徳院の母・璋子が、鳥羽院と結婚前、白河院と関係していたことは『古事談』などに記されており、角田文衛による璋子の生理周期の研究から崇徳の父は鳥羽院ではないことが証明されている。

つまり、保元の乱に関わった者の三人までが、白河院のお下がり妻を母にもっているのだ。

 

天皇上皇が、妻を臣下に与える背後にはどんな政治状況があるのだろう……と、本書では考えてみた(自分的には、このくだりは、けっこう知恵と力が入っているところだ)

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女系図でみる日本争乱史 (新潮新書)

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www.shinchosha.co.jp

うんこマニア必読 

和歌というと雅びとか花鳥風月といったイメージがあるかもですが、

政治臭、生活臭、食べ物集など、雑多なにおいが満ちている『万葉集』、“屎”(うんこ)の歌さえあります。

 

「カラタチのイバラを刈って家を建てるぞ。クソは遠くでしろ、クシ作りのおばさん」巻第十六・3832
“からたちの 茨刈り除<そ>け 倉建てむ 屎遠くまれ 櫛造る刀自”
(枳 棘原苅除曾気 倉将立 屎遠麻礼 櫛造刀自)

 

「香を塗った塔に近寄るんじゃない、便所近くのクソ鮒を食うサイテー女」巻第十六・3828
“香塗<かうぬ>れる 塔<たふ>にな寄りそ 川隈<かはくま>の 屎鮒食<くそぶなは>める いたき女奴<めやつこ>”(香塗流 塔尓莫依 川隅乃 屎鮒喫有 痛女奴)

 

とかね(訳はもちろんひかり訳)。

そんなことも書いてます。

うんこマニアも、必読です。

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エロスでよみとく万葉集 えろまん

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八十の衢とスクランブル交差点

ハロウィーンが近づいてきたが、

万葉集』にも渋谷のスクランブル交差点的な場が詠まれている。

“八十の衢”。

“言霊の 八十<やそ>の衢<ちまた>に 夕占<ゆふけ>問ふ 占<うら>正<まさ>に告る 妹は相寄らむ”
(事霊 八十衢 夕占問 占正謂 妹相依)巻第十一・2506

「言霊がパワーを発揮するスクランブル交差点で夕占いをした。結果はドストライク! あの娘<こ>は俺に気があるってよ」

と、訳しました(『エロスでよみとく万葉集 えろまん』から)。

 

 

 上の歌は、言霊が威力を発揮する場所(“八十衢”)と時間(“夕”)に占いで問うたら、「目当ての女はなびきます!」と告げられたので「この占いは正しい!」と快哉を叫んでいる。場と時を選び、万全の構えで臨んだ占いは吉と出たわけだ。
 “八十の衢”とは四通八達の交差点の意。そういう所で言霊は威力を発揮すると考えられていた。渋谷のスクランブル交差点みたいなものか? と思いそう訳してみた。
 衢は「歌垣などをする聖地」であり、”夕占”は言霊の活動する夕暮れ時、「辻に立って行き交う人の言葉の片端から吉凶を占うこと」(新潮日本古典集成『萬葉集』三 注)。
 人の行き交う交差点や辻は、人知の及ばぬパワーがあると考えられていたのだ。そう思うと、渋谷のスクランブル交差点に、多くの人々が惹きつけられるのも、深い意味があるのかもしれない。

 

 

といったことを『エロスでよみとく万葉集 えろまん』には書きました。

買ってね!

 

エロスでよみとく万葉集 えろまん

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もうすぐいなくなります

池田清彦『こうすぐいなくなります』読み途中ですが、凄く面白いです!

生命誕生から38億年の間に、地球上にはおびただしい数の生物が出現したものの、なんとその99%は絶滅している、とか。

六億年前、多細胞生物が出現して以降、生物の大量絶滅は六回起きていて、なかでも最大であったベルム紀末(2億5千万年前)の絶滅では、海洋生物種の96%が絶滅したと。

その中では規模の小さい6550万年前の大量絶滅では、恐竜が絶滅したことで有名で(←恐竜展、見に行っただけに身近)、この時、大隕石が地球に衝突したことによって引き起こされた大地震マグニチュード11〜12。東日本大震災の1000倍から三万倍の規模だといいます。

そんな地震がきたら、津波の高さが300〜1000メートルにもなるというのだから、恐ろしい。

 

そうした大規模絶滅とは別に、小規模……といってもハイパークラス……なものとして噴火があります。

日本列島に人が来たのは古く見積もってもせいぜい三万年前ですが、九万年前には阿蘇山大噴火が起きていた。阿蘇山はこの40万年間で四度のカルデラ噴火を起こしており、著者によるとそろそろ五度目の大噴火が起きても不思議ではないとか。今もし九万年前と同じ規模の大噴火が起きたら、一千万人くらいは死んでしまうと……。

 

まだ26pまでしか読んでないのに、こんなにも凄まじい情報が……。

例によって、仕事の合間のちょっとの息抜きのつもりで読み出した本ですが、止まらなくなる予感……。

 

もうすぐいなくなります:絶滅の生物学

もうすぐいなくなります:絶滅の生物学

 

 

輸血広告に関する論への違和感

輸血広告に巨乳の萌え絵が使われてて、賛否両論だが、科学的な根拠を示した論として出回っているその論にも私は違和感覚えた。↓

honeshabri.hatenablog.com

そうじゃないんだよね……と。

 

 

 

なかでいちばん納得したというか、そうそう! と共感したのは、こちら↓

hedgehogx.hatenablog.com

 

痴漢にあったことのない人のほうが珍しい日本で、ああいう広告を出されれば、そりゃあ拒絶反応出ますよ。

台湾の似たような広告もツイッターに上がってたけど、そっちは同じ萌え絵でもこれほど巨乳は強調されてなかったし、出来も良かった。

 

女がそれだけひどい目にあってきたという歴史や状況抜きに、論は成り立たないと私は思ったことでした。

 

 

即位式

きょうは即位式

NHK所功先生が「前近代は中国を手本に、明治以降は欧米を意識して変化してきている」とおっしゃってたのが心に残った。

そうやって柔軟に変化してきたからこそ生き延びてきたんだよな。

本当に長く続く伝統って実は先進的だしラディカルなんだ(ラディカルって根源的という意味もあるんですよね)。

一方アベさんは幻想の伝統を追い求めているんだな……などと思ったりした。

 

 

即位式というとどうしても思い出してしまうのは花山天皇馬内侍

『江談抄』第一の二によれば、花山天皇は即位の日、“大極殿の高座(高御座)”の上で、鼓や鉦で知らされる刻限の合図の前に、“馬内侍を犯さしめ給ふ”ため、玉の装身具と冠が揺れて鈴の音が鳴った。それに驚いた弁官の藤原惟成は“鈴の奏”と称して、叙位の申文を持参した。

要するにセックスの振動で鳴った天皇の装身具の鈴の音を合図に儀式を始めようとしたところ、天皇は手で惟成を“帰さしめ給ふ”ため、惟成は意のままに叙位を行った、と。

 

 

花山天皇は、『大鏡』に冷泉院の狂いより花山院の狂いのほうが“術なけれ”(始末に負えない)と言われている人でもあり、なにかと天才肌だったようだ。

 

 

令和のもととなった『万葉集』をもっとに身近に! ↓

 

エロスでよみとく万葉集 えろまん

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天皇家も、継体、安閑、宣化などは前王朝の娘たちと婚姻を重ねることで、血をつなぎ、基盤をしっかりさせたということは有名です。↓

 

女系図でみる日本争乱史 (新潮新書)

女系図でみる日本争乱史 (新潮新書)

 

 

10/21付「読売新聞」夕刊で『エロスでよみとく万葉集 えろまん』

10/21(月)付「読売新聞」夕刊で『エロスでよみとく万葉集 えろまん』がちらっと紹介されたようです。

私はまだ見ていないのですが、ツイッターで教えてくださった方がいて、知りました。

嬉しいです。

⇒今見て来ました! 「おもしろ古典本に注目」という形で書影(カラー)とタイトル名が出ていました。

待田晋哉さん、ありがとうございます!

 

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エロスでよみとく万葉集 えろまん

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