猫も羽<わ>で数えましょう(旧「大塚ひかりのポポ手日記」since2004)

一切皆苦の人生、だましだまし生きてます。ネットでは、基本的にマイナスなこと、後ろ向きなことを書くスタンスですが、ごく稀にうっかり前向きなことを書いてしまう可能性もあります。

驚いた

 以前、『いつから私は「対象外の女」』で、小柳ルミ子が47歳で当時34歳だった大澄賢也と離婚したことを指して、年とって対象外になりつつある年上中年妻の悲劇……などと書いた覚えがあるのだが。
 いま発売の週刊文春をみたら、小柳ルミ子は、石橋正高と同棲していて、ルミ子の病気の母が元気なうちに(結婚しよう)という話が出ている、とある。ああよかった。新しい恋人ができたんだね、おめでとうルミ子。と思って、でも、石橋正高ってどんな人だろうと調べたら、がーん。俳優の石橋正次の息子で、1979年生まれの27歳というではないか。ネット上ではもう二人の交際は有名のようだ。
 おみそれしましたルミ子さま。あなたを他の凡百の中年女と一緒にしていた私が悪うございました。13歳年下の賢也にも驚いたけど、現在ルミ子は53歳だから、今度は26歳年下である。文字通り息子ほどの年齢だ。石橋正高の父正次は58歳だから、年齢的には正次とのほうがお似合いな気もするし、若けりゃいいってもんじゃないし、だいいち話とか合うのかしら……と私は思うが、ルミ子はあくまで若い男が好きなんだろう。若い男が好きな中年女はもちろん多いだろうが、こうして交際を実現できる女は一握りである。中村うさぎとかが聞いたらどう思うんだろう。
 あくまで小柳ルミ子だからこそ、であろう。が、しかし石橋正高にしてもただ若いってだけじゃなくて、かなりのイケメンだし、父親は有名人だし(でも本人は無名だわね)、ほかにいくらでも同世代の相手がいそうなものなのに、ルミ子の何に若い男がそれほど魅かれてしまうのだろう。知りたい気がする。

小柳ルミ子が若い男が好きなのは、若い頃、その年にふさわしい青春をまったくすごしていなかったからなのかなぁ。十有五にして学に志す、三十にして立つ……とかって孔子が年齢別に自分の体験を述べてるのは、自慢とかじゃなく、この年にはこういうことをなすべきだという適齢期があるのだってことを説いてるんだと思う。その適齢期にふさわしいことをしてこなかった人は、そのことに関して一生、あがくのだ。学をしてこなければカルチャーオタクや趣味ジプシー、恋をしてこなければ恋愛依存人生……といったぐあいに。ルミ子はなくした二十代をその年ごろの男と共に生きてるんだろうなぁ。でもそういう相手が見つかるっていうのは繰り返しになるけれど「ルミ子だから」。ルミ子自身の中に紛れも無い二十代の女の無鉄砲さとか傲慢さとか世間知らずとか前向きさとか絶望とか命知らずなところとかが詰まっているんだろう、きっと。
★★「朝日新聞」の「文庫・新書おすすめ新刊」にちょこっとだけど『歯医者が怖い。』が紹介されてた。書評欄で見たのは初めてだから嬉しい。もしかして私の知らぬ間にほかでも紹介されてるのかもしれないが。



チーコ『ほんと、「おみそれしやした」って感じですねー。
すごいや。たいしたもんだ。ここまで来ると、「年下殺し」とかいやらしい感想より、ポポ手さんの言うように「何か」がルミ子にはあるんでしょうね。

最近、20〜30台の人と接する機会があるのですが、年齢じゃくくれない濃い人生を送ってきている人もいて話していても楽しいです。
ルミ子にも何かがあるように、石橋正高にも何かがあるのかもしれませんね。』
hikario『たしかに年齢じゃくくれないかも。子供の友達の親とか見てても、三十代初めから五十代までいるけど、トシじゃないんだなぁと思うことってしばしば。そういうことって、別々の年齢の人を同じ集団の中に入れてみると案外、気づきますよね。
石橋正高にもぜったい善きにつけ悪しきにつけ何かありそう。
それにしたって、若い人でもエネルギーのない人はいるけど、若さって往々にして、それだけでエネルギーってとこあるのに、それと渡りあうルミ子は凄い。男女が逆だって驚きの年齢差なのに、まして生殖能力のない年ごろの女だというのに。世界的には人口が増えてるんだから、こういうカップルのほうが人口が増えなくていいかも……なんて思ったりして。』
OKU『芸能人の(しかも名の売れていない)年下の男性って、すでに名の通っている「あの人は今」的な人とペアになることによって、「二人とも、もうひとハナ咲かせる(あるいは返り咲く)」ってことではないか・・・と思ってしまうのだが・・・。一般の人びとの恋愛と一緒にしてよいものかどうか・・・・。』
OKU『あるいは、「私があなたをビッグにしてあげる!」みたいな、ホストクラブに通うオバサマのような感じ??恋愛感情というより、母性本能だったりして???』
hikario『たしかに。芸能人の情事は一般人とは違うかも。しかしルミ子は知名度的には十分だし、情事を利用するとしたら若い男のほうだよね。とはいえ、それだけだったらなにも同棲しないで、ただ食事してる所をわざとマスコミにみられるようにしたり、適当につきあってればいいのに、同棲までするってのは、ただごとじゃないよね…。賢也なんて十一年間、結婚生活送ってたんだし。一般人でもたまにこういうケースはないわけじゃなくて、テレビでも、53のオバハンと32の男が13年間つきあった末(てことは最初は40と19)、結婚したっていう一般人が出てきてたし、たまにはいるんだけど、芸能人は年とっても綺麗だったりするし、虚業ってとこあるから、やってるうちに本能が壊れちゃう人もいるのかも。それでこんな、ちょっと通常では考えられないようなケースが、ふつうより目立つのかしら。小泉今日子とかYOUの例もあるし…。ホストクラブに通うオバサマみたいな気持ちってのはあるかもしれない。「私が育ててあげる。育て外のある若い男がいい」ってのが。若い男側も、「このオバハンとだとラクだし、甘えられるし、芸能界の先輩だからためになる」ってのもあって、同棲してるのかな。』
hikario『あと、フェチってのもあるのかも。男側は。老女フェチってのもあるから。しかしそういう要素もさることながら、やはり私はルミ子のパワーと、芸能界に長くいたがゆえに世間を知らないとか、すごく自信があるかと思ったら、妙に絶望的だったりっていう、若い女さながらの要素があって、しかもそれが男には魅力的に見えるんじゃないかなって思う。だって、芸能人だって大半は一般人が見ても納得できる範囲の年齢の相手とつきあったりしてるわけじゃない?  やっぱりルミ子は特殊なんじゃないかな。まぁ相手の男はルミ子を利用しようって気持ちはあったと思うけど、だんだんはまっちゃったのかな。いずれにしても、芸能界であれだけトップを走り続けられるルミ子、ただ者のはずがないし。』