猫も羽<わ>で数えましょう(大塚ひかりの犬・猫・人・他)

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にゃんにゃんアンカ

maonima2007-01-04

 むかーし昔の誕生日の夜、父が犬のぬいぐるみを、弟と私に一つずつ持ち帰ってきた。弟には茶色のダックスフント、私には百一匹ワンちゃんそっくりの白だった。
 犬のお尻にはコードがついていて、スイッチを入れるとあったかくなった。
 犬のぬいぐるみと見えたのはアンカだった。父は「わんわんアンカっていうんだよ」と言った。
 わんわんアンカは足にするものなのだが、足げにするのが可哀想なので、抱いて寝た。しかし抱いて寝ると暑苦しいし、ぬいぐるみとして遊ぶにはコードがじゃまでいつしかわんわんアンカは押し入れのこやしになってしまった。
 父は電気会社に勤めていたので、自社のあまり売れない新製品をタダに近い値段でもらってきたとあとで知った。
 夫などと比べると子供の気持ちの分からない、子供の喜ぶものの分からない、子供には思いやりのない父だったと今にしてつくづく思うが、わんわんアンカは、父というより会社がくれたものということもあったせいか、珍しく嬉しいプレゼントだった。