夜の散歩で、私の顔にいきなり「じ・じ・じ」と襲いかかる飛翔体。
「うわっ、ひぃっ」
と叫ぶや、シバがジャンプして、目にもとまらぬ早さでキャッチ。
さっくりバリバリ食いだした。
また蝉だった。
「ちょうどいいお夜食、うまうま」
とシバ。
私がのぞき込むと、
「取らないでね」
って、さらに完食。
今度は私も子供も邪魔せず、見守ったあげく、いこいこしたせいか、
「蝉って取っていいんだね。食っていいんだね。うち、偉いよね」
と、シバも自信がついたのだろう。
その後は何かにつけて、きらきらした目で私の顔を見上げてた。