猫も羽<わ>で数えましょう(旧「大塚ひかりのポポ手日記」since2004)

一切皆苦の人生、だましだまし生きてます。ネットでは、基本的にマイナスなこと、後ろ向きなことを書くスタンスですが、ごく稀にうっかり前向きなことを書いてしまう可能性もあります。

父の折り紙癖

maonima2009-04-07

父の折り紙による「マーキング」については以前、書いた通りだがhttp://d.hatena.ne.jp/maonima/20080408
相変わらず地元で折り紙を振りまいているらしい。
おととい、父と母の誕生日も過ぎたことだし、春休み最後の日曜だし、孫にも会いたかろうと、子供と一緒にちらりと実家に行った。
満七十九歳になった父は最近「やすらぎ荘」だか「くつろぎ荘」だかいう老人たちの憩いの場に卓球などしに通って元気なようだが、先日、桜祭りというので、そこに子供連れもたくさん来ていたのだという。
父が折り紙を折っていると、三、四歳の女の子がきたので、最近、父が開発したとかいう五センチほどの小さいトトロの折り紙をやると、大喜びしたので、いつも持ち歩いているピンクのウサギの折り紙もやったのだという。さらに喜んだので、
「干支は何」
と聞くと、「分からない」と言うから、「いくつ?」と聞くと「三歳」と言う。近くにいた母親にも確認して、これまた四、五センチの小さなトリの折り紙を上げたんだ、嬉しそうだったよ、と自慢する。
「もしやいつも持ち歩いてるんじゃ、干支の折り紙を」
「もちろん。全種類持ち歩いておる」
 父が、小汚い財布を棚から取り出すと、そこのがま口部分には干支が十一種類。
「トリはその子にやったから、補充せんとな」
と言って、しこしこ折っている。



 ああ、その子の家では、その夜、こんな会話が繰り広げられただろうな。
「パパ、見てほら。ウサギ」
「おお、可愛いな。どうしたんだ」
「おじいちゃんにもらった」
と女の子。
 ママは子供の教育上、ものをくれた人を非難がましく言うのもなんだからと、きっと女の子が寝てからパパに、
「きょう、公民館で桜祭りがあってさ、行ったら変なジーさんがいて。折り紙のウサギくれたのよ。あと偽トトロも。それにほらこれ、そのジーさん、●●(子供の名前とかが入る)の干支なんて聞くから何だと思ったら、いつも財布に持ち歩いているみたいなのよー」
「アハハ。変わったじいさんがいるもんだな」なんて……。
 想像上の会話の旦那さん、その変わったじいさんが私の父なんです。




 
 あと、父は今年の「クリスマス」に向けて、サンタとトナカイをたくさん折っていると言って、箱を見せてくれた。トナカイはサンタの二、三倍いた。もちろん手作りのクリスマスカードのため。いちおうプロテスタントの信者(教会はもう何十年も通っていない)である父はクリスマスには力を入れているのである。
「何十人にも出すから、今から作っとかんといかん。ママの病院の待ち時間卓球の待ち時間に折ってる」そうだ。