猫も羽<わ>で数えましょう(旧「大塚ひかりのポポ手日記」since2004)

一切皆苦の人生、だましだまし生きてます。ネットでは、基本的にマイナスなこと、後ろ向きなことを書くスタンスですが、ごく稀にうっかり前向きなことを書いてしまう可能性もあります。

maonima2010-03-06

昨日は東工大でのシンポジウム「クール・ジャパノロジーの可能性」を見聞きしに行った。
前半の個別発表はさほど興味のもてるものではなく、帰ろうとしたら、知り合いがいたので後半もいた。
後半はいろいろ考えさせられるとこもあって、行って良かったと思う。

今、幕末明治に来日したいろんな西洋人の日本紀行をいくつも読んでるんだけど、彼らの書いてることって今のクールジャパンと似てて、百年前から日本は西洋人からこういう風にエキゾチシズムの対象で妙な感じの持ち上げ方をされる運命にあるんだなと。
根っこに遠さと差別意識があるだけに妙な感じの、になるんだなとか。


そもそもシンポジウムって私はほとんど行かないんだが、『源氏物語』のシンポジウムなどと比べると、「門外漢」でも楽しめるものだったのかもしれない。
って、実は最初私は古典オタクなんだし、自分は「門外漢」とは感じていなかったのだが。
だってジャパノロジーだし、と思っていたのだが。
行ってみたら、オタクやアニメのことが話の中心で、しかし具体的な話は出ず、全体に、なんか自分は「門外漢」だったのかなと感じさせられたシンポジウムではあった。





宮台真司東浩紀を初めて見たが、宮台真司は話が巧みで安心して聞ける感じ。声といい、たとえ間違ったことを語っても、聞き手は言いくるめられてしまいそうな、天才詐欺師のような雰囲気。
東浩紀はかわいげのある感じだった。
大塚英志は私は二十年前に仕事で会った時とか、サンカ研究会で話して頂いた時のこととか考えると、内容は忘れたものの、感じは良くて、個人的にいいイメージだったのだが、けっこうみんなは悪役のイメージをもってて驚いた。





母の見舞い。
元気だったが、完全に車椅子になっていて、歩く意欲は失せている感じだった。
「退屈じゃない?」と聞くと、
「いろいろ考えてるから、あることないこと」と、わりかしまともな回答。
しかし、
「また英語の教室を開こうと思ってるの」
「どこで」
「やっぱり白楽で」
と、妄想は健在。
食欲と想像力だけは、人間、最後まで残るものだなぁとしみじみ。
「このおむつみたいなパンツ(トレーニングパンツ式おむつ)があったかくて良くてね。職員のお兄さんに言ったら、そうですか、いいですか、これがって笑われちゃった」
と、相変わらず、人に「受けた」ことが嬉しいらしく、繰り返していた。