「新潮45」の連載が完結し(7/18発売号で最終回)、今は単行本化の作業をしています。
七月いっぱいを目処に頑張っています(7月中に直しや図表などを入稿できれば10/15刊行となります)。
次の「読売」の「うしろ向き古典倶楽部」(七回目)は7/24夕刊。
あさってが締め切りですが、次回は『風土記』のことばにしようかなと考えて『風土記』を読み返しています。
毎回、「うしろ向き」でいながら、元気が出るということばを取り上げるこの連載をやってて感じるのは、日本の古典文学にはほんとに後ろ向きなことばが多いということ。
この世はすべて苦であるという仏教の「一切皆苦」の教えとか、何事も前世からの宿縁なので仕方が無いという諦めの思想が、散文にも韻文にも色濃く漂っているんですね。
というと、無気力感がありますが、どっこい、古典文学に描かれた人々はかなりエネルギッシュで、出家して女ひとり(と本人は書いてる)関東やらあちこち旅をした鎌倉時代の二条とか、還暦を迎えて宋に渡った成尋阿闍梨、そして息子との別れを八十過ぎて綴った成尋阿闍梨の母などなど、挙げていけば数えきれません。
私も、ともすると、マイナス思考になりがちですが、「マイナス×マイナスはプラスになる」の精神で、生きていこうと思います。