22日は早朝からまた群馬の川場へ行きました。
今回はスパルタ父さんは来ていませんでした。
『源氏物語』の全訳が終わっても、なにかとわさわさした日々、たまのスキーや、日々の書道などもろもろの助けで、何かとおかしくならないよう足を踏ん張っています。
次の「美的」の準備のため、ここんとこずっと『往生要集』を読み返してましたが、仏教関係の本って、『日本霊異記』といい『今昔物語集』といい、人の欲望をこれでもかと数え上げるだけに、宗教色の薄い日記や物語なんかより、ずっとエログロの度合いが濃いんだよね。
そして、五感にぐいぐいくる。
とりわけ『往生要集』の特徴は、五感に訴える表現が多いこと。
熱くて臭くてどろどろで“その味、最も苦し”という“熱屎”を食べつつ、虫に刺されまくって痛くてたまらないという……等活地獄の別所の屎泥処とか、有名な衆合地獄の別所の刀葉林とか、五感に訴えすぎ。
だからインパクトがあって、漢文調でも読みやすいんだね。
日本人が嘘をつくと舌を抜かれるって知ったのも、当時“天下に流布”(扶桑略記)した『往生要集』が手伝うこと大だったと思うが、そんな平安中期、“そらごと”に満ちた古物語に対抗して道綱母が暴露本『蜻蛉日記』を書いたり、紫式部がリアリティに満ちた『源氏物語』書いたのは偶然じゃないと思う。