猫も羽<わ>で数えましょう(旧「大塚ひかりのポポ手日記」since2004)

一切皆苦の人生、だましだまし生きてます。ネットでは、基本的にマイナスなこと、後ろ向きなことを書くスタンスですが、ごく稀にうっかり前向きなことを書いてしまう可能性もあります。

いつもの婆自慢1母の脳出血と幻覚

maonima2007-11-26

霊なんて当たり前だが、ない。ただ、虫の知らせというのがあると思うのは、十五年前のこと、いとこが死ぬ数時間前、ふだんは決してみないいとこの夢を私が見たからだ。私は死んだ白楽の祖母(当時はまだ八十九歳で生存中)の家で寝ていた。祖母はアラジンの石油ストーブの前に立っていて、いとこはまず祖母のもとに行って、うつむいていた。祖母もうつむいていた。二人は会話しないでも心で会話している風だった。次いでいとこは私の枕元にきて「残念だけどもう会えなくなるの。今度はイタリアに行くの」とはっきり言った。三年前から癌で数回手術していたことは知っていたが、関西に住んでいたし、詳しいことは知らなくて急に亡くなるとは思いも寄らなかった。顔はとても白く綺麗で、病人のようには見えなかった。私が起き上がろうとした時、電話が鳴って目が覚めた。いとこの危篤が知らされたのだった。これは本当に今でも不思議な経験だった。あとで聞くと、顔にもデキモノができていたのに、死の直前になって跡形もなく消えていたというから、その時の顔を私は見たのだろう。死体の顔も綺麗で、癌の人にありがちな、がりがりに痩せた体でもなかった。
こんな不思議な経験はしたが、霊はぜったいいないと思えるのは、私は祖母が死んだあと、何度も何度も「もしも霊がいるなら出て来ておばあちゃん」と祈ったけれど、夢には出ても、現実に出て来たことは当然ながらただの一度もないからだ。ふつうに考えても、あるわけがない。祖母も「そんなものあるわけない」といつも言っていた。
しかし「ある」と言い張る人がいるのは、脳の一部が人とは違う状態になって幻覚をみているだけなのだと思う。母が脳出血で倒れた直後、二週間くらい、色んな幻覚が見えたようで、「小人が二人いる」とかあれこれ不気味なことを言っていた。「霊はある」と信じたい気持ちは分かるが、それが見えるとしたら、脳細胞の一部が破壊されているのだ。統合失調症の人も脳に問題があって幻覚が見えるのだろう。
(写真は祖母筆「分析ラッパ節」)